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 ガルシアが男性だと聞かされてもカメリアは、態度を変えること無くガルシアに接するのでガルシアも今まで通りに授業を始めた。


 ルカは、初めての授業だという事でついていくのがやっとだった。なので、ガルシアは次の授業までにルカ用の分かりやすい教科書を用意するに事した。


 グレナーは元々基礎は出来ているので、カメリアが恥じないように復習という形である。


 3人でガルシアの授業を終えた。




 ───────

 ─────




「カメリアお嬢様、お客様がお見えです。」


 授業を終えたカメリアは、部屋へと戻ってくるとアンナがやってきて客が来たと告げる。


「お客様?誰かな?」


 客の名前を聞いてもアンナが楽しそうに秘密です。と言うので行ってみたら分かるかな?と思いそのままアンナに身なりを整えてもらい客室へと向かう。




「お待たせ致しました。」


 と礼をして顔を上げると見慣れた顔がそこにあった。


「やぁ、久しぶり」


「...クリフト殿下?」


 久しぶりに見るクリフトは、少し背が伸びていて女の子っぽい風貌から少年へと変わっていた。少年の見た目にはなっているが、可愛らしさは相変わらずだった。


 ザイード様は、昔から大人っぽさというか、大人の色気みたいのがあるけどクリフト殿下は、年相応で見た目も女の子っぽくて可愛らしいんだよね。


「...その殿下呼びは...僕も殿下は無しにしてくれないかな?それに敬語もいらないよ。アランやルイと話すようで構わないから」


「え?あ、はい...じゃなくて、うん!」


 公式の場だと無理だけど、クリフト様がそう言うならお兄様達と接するように話した方が良いよね!


「えと、クリフト様は、私に何か御用なの?クリフト様もお兄様達と一緒に学園に通ってるんだよね?」


「うん、今日は学園はお休みで学園側に外出届を出しているんだ。そうだ、用というのはね、はいコレ」


 そう言ってカメリアに渡したのは、薔薇の花束と小さな包装された箱だった。


「まぁ綺麗な薔薇!ありがとう。大切に飾らせてもらうね。...あと、これは?」


「カメリアちゃんの誕生日パーティに出席出来なかったから...プレゼント、直接渡したかったんだ。兄さんは、非公式で行ったみたいだけど...」


「え?わざわざその為に貴重なお休みの日に来てくれたの!?」


「貴重なお休みだからこそ、カメリアちゃんの為に使いたかったんだ。...良ければ、ソレ開けてみて。気に入るかは、分からないんだけど...」


 クリフトに促されて渡された小さな箱の包装を解いていく。


「まぁ!!」


 箱の中に入っていたのは


「カメリアちゃんと同じ瞳のアメジストのイヤリングなんだ。普段使いしやすい物にしたんだ。どうかな?」


 カメリアの瞳と同じ紫色のアメジストが花の形をしていてキラキラと輝いている。このイヤリングは、クリフトの言うように普段使いしやすい小ぶりな物だった。


「とっても気に入ったわ!お花の形がとっても可愛くて毎日でも付けたい!クリフト様、ありがとう!」


「喜んで貰えて良かった!兄さんは良くここへ来るんでしょ?」


「前はちょこちょこ来ていたけれど、最近は全然だよ。」


「...ああ、確か仕事が立て込んでるとか言ってたな。孤児院がどうのとか...」


「...孤児院?もしかして、ルカの事かな?」


 孤児院と言えば、ルカの事がある。ルカが孤児院が変わってしまって帰りたく無いと言っていたのをカメリアは思い出した。


 私では、力に慣れないからお父様にお願いしたんだよね。王都のあそこの孤児院は、国の管理だからザイード様が動いてるのかな?


「...ルカ?」


「あ、うん!先週から我が家で雇う事になったルカって子がそこの孤児院にいたの。でも、色々とあったみたいでそこはお父様にお願いしてたんだ。」


「ルカって男だよね?大丈夫なの!?」


 ん?大丈夫って...あ、そっか!クリフト様もお父様と同じで素性が分からない人を雇うのが心配なんだね!そうだよね、クリフト様は王子様だから特にそういうのに厳しいんだよね。きっと!


「大丈夫だよ!今はお試し期間中だから、まぁ、何かあれば雇わないってお父様が判断するから心配無いよ。でも、1週間は頑張って働いてたしもう1週間頑張ればちゃんと認められるの!それにゆくゆくは、私の専属護衛になるんだ!」


「...それって大丈夫、じゃないよ。その子は、ライバルになるのかな...」


 クリフトが小さな声で何か言っていたが、カメリアには届かず。


「ん?どうしたの?」


「ううん、何でも無いよ。ただ僕も頑張らなきゃなって思っただけ。...さて、僕そろそろ帰るね。時間を取らせちゃってごめんね。そのイヤリング、毎日でも付けてくれたら嬉しいな。」


「うん!付ける。だってこんなにも可愛いんだもん。ありがとうクリフト様」


 無邪気に笑うカメリアにクリフトは、学園に戻りたく無くなったが、ずっとここにいては側近でありカメリアの兄である双子が怒り狂うだろうし、仕事漬けとなっている自分の兄であるザイードに知られれば気が済むまで嫌味を言われ続けるだろうと思い、渋々サーチェ伯爵家を後にするのだった。







「アンナ、この薔薇をお部屋に飾ってくれる?」


 カメリアは先程クリフトに貰った薔薇の花束をアンナに渡し、先に部屋へと戻った。


「はい、かしこまりました。...7()()の薔薇の花束...ね。」


()()()()()ですね。私達の大切なお嬢様は、モテモテですね!」


 侍女2人が主人であるカメリアの恋の行方を勝手に妄想しているなどカメリア本人は知る由もない。









ここまで読んで下さってありがとうございます。


クリフト殿下、久々の登場です。

皆さんはどのキャラが1番すきですか?





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