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「ねぇガルシア先生」


「何かしら、カメリアさん」


 今までガルシアは、カメリアの事をちゃん付けで呼んでいたのだが5歳になったカメリアはもう立派なレディだからとさん付けで呼ぶようになった。


 距離が遠くなった気がするけど、でも少し大人に近付けた気もして嬉しいんだよね。


「一緒に学びたい人がいるんですが...お父様やお母様には許可を取ってます。いずれ、私の専属護衛として学園に行くので...」


「それなら、貴女を護るべき者として多少の知識は必要ね。いいわよ、明日から連れて来なさい。」


「ありがとうございます。」




 ───────

 ─────




「ルカ、此方が教えてくれるガルシア先生だよ。」


「ル、ルカと申します。よろしく、お願いします。」


「はい、よろしくねぇ。グレナーから聞いたけど勉強熱心らしいわね。」


「カメリア様を、御守りするので!」


「あら、そこは挙動不審にならないのね。それほど自信があるのね。なら、他も自信を付けなきゃ駄目ね。貴方の挙動不審がカメリアさんの足を引っ張る事だってあるもの。」


「は、はい!」



 コンコン



「ガシュート、失礼するぞ。」


 ガシュート?

 そんな名前の人は、この部屋にはいないはずだけど...


「ちょっと!」


「私もお嬢様の専属に任命されたので授業を受けたい。」


「え?グレナーも?私は嬉しいけどグレナーは良いの?」


「はい!よろしくお願いします。」


「ちょっと!無視しないでグレナー!」


「?ガルシア先生とグレナーはお知り合いですか?」


「はい、ガシュートとは幼馴染みなのです。」


「あ、あの、グレナー、ここにはガシュートという方はいないわよ?」


 ガシュートって男性のような名前だし...ルカの騎士での呼び名とかかな?


「あ〜、すまない。ガルシアというのは何だか慣れなくてつい。」


「つい。じゃないわよ!私はガルシアなの!」


 ガルシアがグレナーに詰め寄る。


「...ん?」


 どういうこと?


「...あ、だから。」


「え?どういうこと?」


 隣に座っていたルカが何だか納得しているが、カメリアは混乱している為、状況を把握出来ずにいた。


「はぁ〜、グレナーあんたのせいだからね!」


 ガルシアは額に手を当てて溜息をはいた。


「...すまん。お嬢様は、お気づきかと思っていた。」


「カメリアさん、私はね...元は()なのよ。」


「...う、嘘!こんな綺麗な方なのに、男の人だったの!?」


「まぁ!嬉しい事を言ってくれるわね!...でも、気持ち悪いと思わないの?」


 眉を下げてカメリアを見る姿でさえ美しく、自分もこういう仕草まで美しい人になりたいとカメリアは思った。


「気持ち悪い?そんな事、絶対思わないです!私は男とか女とかそういうの抜きでガルシア先生を人として尊敬してます。...それに私、男の人が少しだけ苦手だったりするんでガルシア先生が女の人は有難いんです。」


 えへと照れたように笑うカメリアを涙を溜めてガルシアは見る。


「...ありがとう、カメリアさん」


「お嬢様、男性が苦手なのですか!?私は平気でしょうか?」


 心配そうにカメリアをグレナーが見るのでカメリアは慌てて


「ううん、もう大丈夫だよ!初めて会う男の人が苦手なだけで接して行けば平気になるからもう大丈夫なの!」


「そうですか、なら安心しました。」


「ぼ、僕も平気ですか?」


「うん」


 カメリアの返答を聞いて2人はホッと息を吐いたのだった。













ここまで読んで下さってありがとうございます。

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