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「あ、あのね...ちょの...」


「うん」


「...一緒にね、いて欲ちい、の」


 こんな我儘を言ってしまいどういう反応が来るのか分からない。その為カメリアは言ってすぐに俯いてしまった。もしかしたら、自分のこの我儘のせいで優しいお母様であるユリシェが豹変して叩いてくるかもしれないと思ってしまうのだ。


「まぁまぁまぁ!!!」


 ─ビクッ



 ユリシェが先程とは比にならない程の大声を出した為、カメリアは怖くなり頭を手で覆う。


「ご、ごめ、ごめんなちゃい!!わがまま、言って、ごめんなちゃい!!!」


 や、やっぱり怒らせちゃったんだ!!ど、どうしたら良いのかな!?


 ユリシェが怒ったのだと思い、殴られるであろう身体を丸めて頭を手で覆い衝撃を待つ。




 だが、衝撃が一向に来ず、どうしてだろう?と自分の手を退かしてユリシェを見る。


「大丈夫、大丈夫よ。カメリアが謝る事ないの。お母様が突然大きな声をあげてしまったから驚いたのね、ごめんなさいね。カメリア、それは我儘なんかじゃないわ。ふふ、お母様とっても嬉しいわ。今日1日ずっと一緒にいるわよ。」


「ほ、ほんと?...一緒に、いてくれる?」


 ユリシェに我儘では無いと言われ逆に嬉しいと言われてしまった。前世ではそんな事言ってくれる人なんていなかったのでとても嬉しく心が暖かくなった。



 ─コンコン



「あら、誰かしら?」


「母上、カメリア起きたのですか?」

「先程大きな声が聞こえてきましたがカメリアに何かあったのですか?」


 部屋に入ってきたのは双子の兄達だった。


 一卵性で両親でさえ見分ける事が難しいのだが妹であるカメリアだけは何故か見分けられるのだ。唯一見分けられる妹のカメリアを双子の兄達が溺愛するのは必然だった。


 カメリアより4つ歳上の双子の兄達は母親であるユリシェに似てキラキラと輝く金髪に父親のアイバートの青い瞳と同じ瞳を持ちとても甘いマスクをしている。まるで前世の小さい頃に読んだ御伽噺に出てくる王子様のようだとカメリアは思う。


 カメリアは父親のアイバートの艶やかな銀髪に母親のユリシェと一緒の薄い紫色である。両親に似ているのは嬉しいが、カメリアは自分の容姿は周りに暗っぽく見えているのでないかと心配している。出来れば双子の兄達のような容姿だったならと思ったりしているが、優しい家族の元に生まれ変われたのだから贅沢を言ってはいけないなと考える。


「カメリアは無事に目が覚めてもう熱は無いの。大声出してしまったのはカメリアがお母様と今日ずっと一緒にいて欲しいって可愛いお願いを言ってくれたのよ!ふふ、良いでしょ〜。」


「「え、何それズルい」」


 こんな格好良いお兄さんが2人もいるなんて凄く贅沢だなぁ。


「...ルイ兄ちゃまもアラン兄ちゃまも一緒にいてくれる?」


「「あぁ、もちろんさ」」




ここまで読んで下さってありがとうございます。



ルイディル・サーチェ 7歳

双子の兄 金髪に青い瞳

妹のカメリアを溺愛


アランディル・サーチェ

双子の弟 金髪に青い瞳

妹のカメリアを溺愛

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