[ 19 ]
誤字脱字報告ありがとうございます!
とても助かりますm(_ _)m
「なぁ、アラン。カメリアが庭に行くたびに動物が増えてる気がするんだけど僕の気のせい?」
「いや、僕もそんな気がしてたから気のせいじゃないと思う。」
2人が疑問に首を傾げるのも仕方が無いだろう。
私も不思議なんだよね。
お部屋が今に動物園になっちゃうかも!お父様とお母様に怒られちゃうかも...。
でも、皆と一緒にいれたの凄く楽しいからこれからも一緒にいたいんだけど駄目って言われちゃうかなぁ...。
「お父ちゃまと、お母ちゃまに、怒られちゃう、かなぁ?」
泣きたくないのに涙が滲んでくる自分に嫌気がさす。兄達に嫌われたくないカメリアは俯く。
「「大丈夫だよ。怒るわけないよ。」」
泣き出しそうなカメリアを必死に慰める。
事の発端は小鳥からだった。
数日前に小鳥を保護してからリスにウサギに犬がやってきたのだ。リスやウサギは野生の子が迷い込んだのだろうと庭で見つけてからそのままにしていたのだが、いつの間にか部屋に来ていた。
犬は、流石に野生じゃないだろうと思い、飼い主を探そうと兄達に相談しようと思ったのだ。
「なんかコイツら自分の意思でここにいる気がするんだけど、どう思う?」
「僕もそう思う。けど、猫みたいな感じじゃないんだよねぇ。」
「ルイ兄ちゃま、リヒトが、何か、あるの?」
「ん!?い、いや、何も無いんだ。」
『にゃーん』
リヒトがカメリアの足に擦り寄り抱っこしてくれというように前足をカメリアの足に掛けた。
「リヒト、抱っこちて、欲ちいの?」
『みゃー』
リヒトの要望通りにカメリアは抱っこしてあげた。すると、小鳥はカメリアの肩に止まり、リスは頭に、ウサギはカメリアの横に、犬は座ってるカメリアの足元に伏せをした。
「えへへ」
お父様達にもし認めて貰えなかったらと思って泣きそうになっちゃったけど、皆が傍に来てくれてまるで、私を慰めてくれてるみたい。
「わたち、お父ちゃま達に、この子達も、お世話ちたい、ってお願いちゅる!」
「ズルい、僕達の方がこんなにもカメリアが大好きなのに」
「なんか、納得出来ない。」
「アランディル様、ルイディル様、少しよろしいでしょうか?」
執事のロージが兄達を呼び出て行ったと思ったら、数分してすぐに戻ってきた。のだが、1人増えていた。
「やぁ、カメリア、久しぶりだね。」
ルイディルとアランディルと共に来たのはザイードだった。
「ザイード殿下?」
「殿下は他人行儀に感じるからいらないよ。お茶会以来だね。カメリア、全然来てくれないから来てしまったよ。」
と近付いてくるザイードにリヒト達が威嚇する。
「ダ、ダメだよ。王子ちゃまに、そんな事、ちちゃ、ダメだよ。」
「...ねぇ、アラン、ルイ、この動物達は?」
「「カメリアのペット」」
「ふーん、カメリア、僕はカメリアにとって害が無いと伝えてくれるかな?」
「皆、ザイード...ちゃまは、とっても、優ちいのよ。だから、大丈夫よ。」
「「優しい、ねぇ」」
「なんだい?何か言いたそうだね。僕は、カメリアにはとっても優しいのさ。」
「「...カメリアには、ね。」」
『シャー』
「困った猫だね。誰彼問わず威嚇してたらお前の主人が困るだけだよ。見極める力をもっと養った方が良いんじゃないかい?」
『...』
「ザイードちゃま?リヒト?」
「ちょっとだけ、君の猫に話をね。」
カメリアが抱っこしていたリヒトは先程の勢いは失せて耳をヘタらせた。
ザイードは、カメリアに聞こえないように喋ったので何故リヒトがしょぼんとしているのか、分からなかった。
「「ねぇ、殿下、何故今日来たの?クリフト殿下は?」」
「僕はただカメリアに会いに来ただけだよ。全然会えなくて寂しかったからね。」
カメリアの頭を撫でて双子に答えた。
ここまで読んで下さってありがとうございます。




