[ 16 ]
リーファ侯爵家のお茶会でファージーと会って少し話をして兄達と帰路に着いた。
─────
────
「リヒト、ただいま〜」
玄関で待っていてくれたリヒトを抱き上げて頬擦りをすると兄達が必死で止めに入る。
「カ、カメリア!!それはいけないよ。」
「そ、そうだよ!猫はそういうの嫌がるんだ。」
『フン』
「そうなの?リヒト...ごめんな、ちゃい。こういうの、嫌いだった、のね...」
シュンとしてしまったカメリアを兄達は慌て始める。
「「僕達ならいつでも抱き締めて良いからね。頬擦りだってして良いよ!」」
ほらと言って両手を広げてカメリアが来るのを待つ。
すると降ろされたリヒトがカメリアの足に身体を擦り寄せ始めたのでカメリアの関心がアランディルとルイディルからまたリヒトへと向かう。
「リヒト、触っても、いいの?」
『にゃーん』
「嬉ちい!ありあと、リヒト」
カメリアはしゃがみ込み、リヒトの目線になるとリヒトの顎を撫でると『ゴロゴロ』と喉を鳴らした。
「「くそ、ただの猫じゃ無いくせに!」」
兄達がボソボソと言っていたがリヒトにメロメロなカメリアには届かなかった。
──────
────
「カメリア、今日はこれからカメリアに色々と教えて下さる先生に会うわよ。」
「あい」
今日は先日ユリシェが言っていたアランディルとルイディルの先生との対面である。
お行儀よくしなきゃ!お兄様達やお母様達に迷惑掛けないように、恥をかけてしまわないように気を付けなきゃ!
「先生、お待たせ致しました。この子がアランとルイが学園に行ってしまった後で見て頂きたい子です。」
「初めて、お目にかかりましゅ。カメリアと、申しましゅ。」
いつもユリシェがしているカーテシーを真似て挨拶をした。
「へぇ、あの双子の妹にしてはちゃんとしているのね。初めまして、カメリアちゃん。わたくしは、サーチェ伯爵家の専属教師をしているガルシアよ。よろしくね。」
真っ赤なルージュが良く似合う先生はガルシアと言うらしい。薄い紫色のロングヘアに茶色の瞳を光らせてカメリアを見る。
「ガルシア先生、よろちく、お願いちます!」
「いいお返事ね。奥様、今日は顔合わせだけなのですの?何を最初に教えて行こうかカメリアちゃんと話し合ってもよろしいかしら?」
「ええ、どうぞ。では、私は席を外しますね。」
最後にもう一度ユリシェはガルシアに「よろしくお願いします」と言いカメリアを残して部屋を出ていってしまった。
ここまで読んで下さってありがとうございます。
ガルシア (秘密)
薄い紫がかったロングヘアに茶色の瞳
サーチェ伯爵家専属教師
普通の女性より身長が高い