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「カメリア〜今日はお茶会だったんだろう?大丈夫だったかい?」
「僕達、カメリアについて」
「いたかったのに」
心配そうな顔をつきをしているアイバートにカメリアと一緒に行けなくて拗ねているルイディルとアランディル
「だって貴方達、呼んでもカメリアから離れずにいるでしょ?貴方達の婚約者探しは別で行いますからね。」
「「僕達はカメリアとこの家にいるから安心して下さい。」」
「安心出来ません。カメリアだって将来は素敵な旦那様の所に嫁ぐのよ。」
「そ、そんなっ!!!お父様は許しません!!!」
アイバートは勢いよく席を立ち、カメリアの元へと行くと抱き締める。それに続いてルイディルとアランディルも抱き着いた。
お母様の周り、なんか冷気が...
あの笑顔は完璧怒ってるよ!お父様もルイ兄様もアラン兄様も私にくっついてないでお母様を見てー!!
「まったく。貴方達はよっぽど私にお仕置きされたいのね。」
いつもカメリアに向ける優しい笑顔では無く口は綺麗に弧を描いてるが目は一切笑っていない。
「ユ、ユリシェ...落ち着いてくれ。話、話を聞くから!なんかあったのだろう?な?な?」
必死でユリシェを宥めるアイバートの額には薄らと冷や汗が流れていた。
ルイディルとアランディルも顔を青くしてカメリアに先程よりも強く抱き着く。
「ええ、そうだったわ。どちらを最初に話そうかしら」
怒気を含んだ笑顔からいつもの優しい笑顔に変わりカメリアを見る。
「...この子を、最初に、紹介、したいです。」
ルイディルとアランディルに抱き締められながらも腕の中の仔猫が潰されないように必死で守っていた仔猫をアイバートに見せる。
「ん?それは仔猫だね?」
「あい!お父ちゃま、この子、リヒトって、お名前ちゅけたの。とっても、頭のいい子なの。飼っても、いい?」
「あぁ、良いとも。カメリアのお願いなら何でも叶えてあげるよ。もっともっと我儘言っておくれ。」
自分を見上げる可愛い愛娘の頭を何度も撫でてダラしない顔をする旦那を微笑ましそうに見ながらも1番重要な話を切り出そうとユリシェは口を開く。
「あなた、その子の名前を考えたのはカメリアなの。」
「リヒトだったよな。意味とかあるのか?」
「ええ、カメリア、お父様に意味を教えてあげて。」
「あい!えと、えーとね。リヒトはね、ここよりも、とっても遠いお国の、言葉で、光、って意味なの。」
「そうかそうか」
ずっとカメリアを撫でているアイバートにいい加減呆れて説教をしようかと思うがそれでは話が進まないと怒りを鎮める。
「あなた、疑問に思いません?どうしてカメリアが遠い国の言葉を知っているのか。何処でその知識を得たのか?」
「え?ルイやアラン達やマリーやアンナに教えて貰ったんじゃないのか?」
「「僕達は教えてない」」
「マリーやアンナにも確認したけど、本といっても絵本で、その絵本は寝る前に読むけれどこの国の言語で書かれているものよ。」
「え?じゃあ、どうやって?」
「アランとルイがカメリアに渡した本に書かれていたって」
とユリシェの言葉を聞きアイバートとアランディル、ルイディルはカメリアを勢い良く見る。
「カメリア、そのご本は誰かに読んで貰ったのかい?」
「ううん、お兄ちゃま達に、貸して貰ったから、ひとりで、ご本、読んだの」
お昼にもユリシェとベアードに聞かれた事のでやはり自分は何か悪い事をしてしまったのだろうかと心配になり自然と涙目になってきてしまった。
そうするとカメリアが不安になっているのを察したのかリヒトが身体を動かし頬を舐めた。
「あぁ、カメリア。泣かなくて良いんだよ。お父様達はカメリアを怒ってるんじゃないんだ。3歳児であのご本は普通、読めないんだよ。だから詳しく聞きたかったんだ。ごめんよ、カメリア。」
アイバートは優しくカメリアを抱き締めて頬ずりをする。
え?あの本、そんな難しい事が書かれていたの?
でも、普通に読めたんだけど...何でだろう?
「あのご本には何て書かれていたかな?軽くお父様に教えてくれるかい?」
「えーと、この国は、4人の精霊ちゃまに、よって作られて、守られてるってのと、精霊ちゃまを、蔑ろ?にしたり、精霊ちゃまの、いとし子?を、雑に扱うと、精霊ちゃまに、よって災害が、もたらされる。って」
こんな感じだったよね、確か!
後はなんだったかなぁ〜。前の世界には精霊とか聞いた事無かったからこの辺の事はよく分からないんだよね。あ、でも、私だけが知らなかったのかも...。学校も義務教育の中学までだったから高校で教えてもらうなら別だよね。
高校行ってみたかったなぁ。うーん、それよりもお友達欲しかったなぁ。でもでも、この世界でファージーとお友達になれたからいいや!
「他のご本は、ここの国の、言葉じゃなかった、かなぁ?違う言葉で、色々な国を、旅したよーっていう、お話だったよ。」
「この国の言葉じゃないけどカメリアは読めたのか?」
「あい、なんかね、頭の中に、入ってくるの!だから、読めたの!」
そう、この国の言葉じゃない事は分かるんだけど、不思議と頭に入ってくるんだよね。最初は誰かが読んでくれているかのように頭に入ってきたんだけど、それのお陰で1人でも読めるようになったんだ。
「...す、凄いぞ!!!カメリアは天才だぁー!!!」
カメリアを抱っこしクルクル回り出した。
「「僕達が読んであげたかったのに」」
ここまで読んで下さってありがとうございます。