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ブックマーク、評価ありがとうございます。

 



 王妃主催のお茶会も難無く終わりカメリア達は屋敷へと戻ってきた。


「お母ちゃま、お庭に行っても、よろちいですか?ベアードおじちゃんに、会えてないし、ファージーちゃまと、一緒に植えた、お花、まだ今日は見れてないの。」


『いい?』と最後に上目遣いも入れて、ユリシェにお願いしてみると整った顔を破顔させて了承してくれた。


 お母様、本当に優しくて良かった。早くベアードおじさんに会いたいなぁ。ファージーと植えたマリーゴールドはちゃんと育ってるかなぁ?


 ベアードおじさんとは、このサーチェ伯爵家の庭師でありクマの獣人である。体格がとても大きいが気性が穏やかでカメリアの事を実の孫のように可愛がっている。




「あ!ベアードおじちゃん、こんにちは」


 ベアードの赤茶の丸い耳を見つけてカメリアは近寄るとベアードが何かを抱いてるのが見えた。


「お嬢、今帰ったんですかい?お帰りなせぇ。お茶会はどうでした?」


「うーん、お菓子は美味しくてファージに会えたのは楽しかったけど、後はよく分からなかったわ。」


 ザイードに頬を触られて少し談笑したくらいからファージー以外のご令嬢達が何かにつけて突っかかってくるようになった。

 母親であるユリシェ、公爵令嬢のファージー、王妃ヴィヴィアンナ、第一王子のザイード、第二王子のクリフトと一緒にいる時はそんな事無いのだが、お菓子を取りに行く時の1人になると軽くぶつかられたり、「伯爵家の分際で」などと嫌な言葉を聞くのである。


 きっと自分が知らないうちに何か気に触る事をしてしまったのだろうと誰にも相談せずに屋敷に帰ってくるまで耐えた。


 そんな事をベアードに言う訳にもいかず、ファージーに会えて良かったとだけ伝えた。

 すぐに話を変えて腕に抱いているのは何かベアードに尋ねた。


「あぁ、これですかい?こいつは仔猫ですね。親とハグれちまったのか、迷子か、捨てられたか。どれですかねー?」


 ほら、と見せてくれたのはグレーの小さな仔猫だった。


 確か...ロシアンブルーってやつかな?隣の家のおばさんが飼ってた子にそっくり。あの子元気かなぁ?おばさんも元気だと良いなぁ〜


 母親がたまに男の人を連れて来たのでその時はアパートから出て遊んでいた時に初めて声を掛けられたのだ。

 隣のおばさんは少しふくよかでいつもお花の良い匂いがしていた。母親の機嫌が悪い日や毎回違う男の人が来る度に外に出て行くとそのおばさんが家に招いてくれた。おばさんは旦那さんに先に旅立たれて猫と2人で暮らしていると言っていた。


「迷子だったら、飼い主が見つかるまで、捨てられたのなら、わたち、面倒みるから、飼っても良いか、お母ちゃまに、聞いてみるわ。」


「みんなお嬢に甘いからすぐに了承してくれますよ。」


「そうかちら?みんな、優しいけれど...」


 動物を飼うとなると責任とか出てくるからすぐにOK貰えるかは分からないよねぇ。でも、こんな小さな仔猫を1人にさせられないわ!頑張って説得しなきゃ。


「大丈夫ですさー。まぁ儂も一緒に行くんで。」




 ──────

 ────





「...というわけで、この子を、飼いたいの。ちゃんと、面倒みまちゅ!」


 ベアードと一緒にユリシェの所へ行き仔猫を飼う許可を貰う為必死に仔猫の良い所や自分が世話をする事を伝えた。


「お嬢もこう言ってる事ですし、いかがでしょうか。奥様」


「ええ、そうね。カメリア、貴女はあまりおねだりしないから私、心配していたの。他のご令嬢達はドレスや宝石を頻繁に変え替えてるのよ。だから貴女ももっと我儘言ってちょうだい。」


『仔猫1匹飼うくらい全然いいわよ』と優しくカメリアの頭を撫でて微笑んだ。


「仔猫にお名前付けてあげたら?」


「わたちが付けても良いのかな?」


 見つけたのはベアードおじさんなんだし...私が勝手に付けたらこの子怒るかもしれない。


「お嬢が飼うんです。付けてあげてくだせぇ。こいつも喜びますよ。」


 腕に抱いていた仔猫をカメリアに抱かせると仔猫は今までの会話を理解していたかのようにカメリアの頬をなめて鳴いた。






ここまで読んで下さってありがとうございます。


ストックが無くなるので更新が

まちまちになるかもです。

ですが、更新続けられるように頑張ります!

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