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拝啓、お父様お母様。俺は今、魔法少女のコスチュームをしています

作者: ユーリアル

来年連載できたらいいなあと思ってるネタの1話読み切り版です。


剣とか鎧とかは偉大な先輩方がいるので、

やはりエロ要素は無くてはならないのだなと思っております。


頭を緩くしてお読みください。

拝啓


顔も覚えていないお父様、お母様。


お元気でしょうか?


自分の名前も思い出せない俺ですが、元気にしています。


俺は今……異世界で魔法少女のコスチュームになっています。




「クロスくん! 出力上げて!」


頭の上から響く甲高く、少女らしい可愛い声。

今はその声に緊張と恐怖が多く混じっている。


それは俺も感じる鼓動からも丸わかりだ。


『いいのか? これ以上上げたら……』


目まぐるしく変わる視界、彼女がそれだけ止まらずに動いている証拠だ。

そんな中、俺は要求されたことと、それを実行するためのデメリットを考え、

心配を込めてそう口にした。


ただ、それは彼女にとっては悩ましい問いかけであったようだ。


「仕方ないんだもん。ここで勝たなきゃまたすぐに野宿だよ?」


『野宿は嫌だな。プリムラの綺麗な肌に野宿はよくない』


俺としては真剣に答えたつもりだったが、

彼女にはお気に召さなかったようだ。


むすっとした感情が彼女の肌越しに伝わってくるのがわかる。

これ以上からかうのはやめておこう。


先ほどから相手の攻撃を受け止めてはじわりと後退している。


相手に押されているのは間違いないのだ。


出来れば俺も、味わうなら嫌な汗よりそうじゃない汗の方が良い。


『じゃあ行くぞ。マニファクチャー!』


「っっ!! くううう!!」


プリムラの口から漏れる声なき声。


それは苦痛に耐えているような物でもあり、

どこか甘い響きを感じる物でもあった。


彼女の全身を感じ取っている俺の感覚は、

触れている肌、太ももやお腹、そして胸や二の腕といった

体の各所が細かく反応していくのを事細かく感じていた。


しかし、ここで手を緩めるわけにもいかず、

細い腰やわずかなふくらみの胸など、

ぴったり張り付いた状態の俺がわずかに動き、彼女から力を引き出す。


「来たっ! 行け!」


「はぁはぁ……我慢……我慢しないと……あっ……いやああああ!!!」


彼女自身の体から吸い出した力、魔力が俺を通して再び彼女の手の中へ。


そのピンク色の力は彼女が手にしたステッキ状の武器の先端から

衝撃波となって繰り出され、敵を貫いた。


沈黙する敵、駆け出し冒険者では苦労すると誰もが言うハグベアーだ。

全身素材となり、何人かで分けても十分な利益となるであろう強敵。


それを今、プリムラは一応一人で倒したのだ。


誇るべきことなのだが、その余裕は彼女にはない。


長い髪は顔に貼りつくように汗でまみれ、

下着も無く密着した状態の俺は湿っている。


何によっては彼女の名誉のためにも割愛だ。


「はぁはぁ……あっ」


『……早く、帰ろうか』


紳士的に敢えてそれに触れず、呟く俺。


全身に戦いの影響で汗をかき、その上……

俺の力のせいで彼女は少なくない快感を味わってしまっているのだ。


密着したままの俺には否応なしにそれがわかってしまう。


にしてもどうやって声を出してるんだろうな?

今の俺は……某カエルよろしく、プリムラの着ている

レオタードのようなコスチュームの中に宿っているというのに。


そう、今の俺は人間の姿をしていない。

彼女、プリムラの装備している魔法少女礼装の制御人格となっているのだ。


なんとなく、地球の日本人だったらしい記憶もあるんだけどな。


それでいうと、プリムラはドストライクの美少女だ。


ピンク色のツインテールは腰ぐらい。

スタイルは少女らしくほっそりしてるけど胸は少々。


ぱっちりした目鼻は活発さを感じさせる。


声も可愛らしく、俺が与えてしまう刺激に

事ある度に悲鳴のように叫ぶのは正直、ゾクゾク来る。


そんな体はもうないのにな。


ともあれ、今の彼女は色々なせいで少女の尊厳大ピンチというところだ。


そりゃあ、誰だってぴったりと体のラインが出る

服1枚で、しかも自分のそこが濡r「クロスくん?」、この辺にしておこう。


すくっと立ち上がったプリムラが自分の首元、

緑色の宝石の付いたチョーカーに手を伸ばす。


「アンドレス……」


疲れた声を合図に、俺の意識も全身に広がっていた物から

狭く、寂しいものとなる。


チョーカーだけが俺の世界となってしまったのだ。

この状態でもプリムラの首元だから、彼女のいい匂いが直に嗅げるのだが。


……どうやって嗅いでるんだ? まあいいか。


アニメにあるような輝く光がプリムラを覆い、

それが収まった時にはシンプルなワンピース姿に戻ったプリムラがいるはずだ。


まあ、今の俺には彼女の顎と胸元ぐらいまでしか見えないのだ。

詳しい部分は勘弁してほしい。


『まだ敵がいるかもしれないだろ? いいのか?』


「いいんだよ。もう……いいんだもん」


ハグベアーをヴォイドボックスにつけこみ、

とぼとぼとプリムラは歩き出す。


俺は自力で動けないので彼女が進むがままだ。


「もうやだぁ。明日古道具屋に売るぅうう!!」


『悪かったって! 次は優しくするから!』


途中、街が見えてきたところで街道だというのに

プリムラは爆発したように叫び出し、イヤイヤと首を振った。


まあ、気持ちはわからないでもない。

かといって俺はこういうしかないのだが。


「優しくって言ったって、クロスくんが魔力を引き出すには……その、

 私の全身と密着して、さらに刺激しないといけないんでしょう?」


『そうだな……プリムラは魔力が自力で放出できない体質だからな……』


叫んで少しは落ち着いたのか、

街道沿いの岩の上に座り込むプリムラ。

ぎゅっとその拳は膝の上で握られている。


『俺がもっと別の能力だったらそんなこともないんだろうけど、悪い』


「クロスくんのせいじゃないもん。私が……落ちこぼれだからいけないんだよ」


いわゆる転生だとは思うのだが、俺が目覚めたこのチョーカーはただのチョーカーではない。


古代文明の遺産、しかも試作品を作っただけでそのピーキーさに

量産が見送られた、ある種ハイスペックなユニーク品なのだ。


この体(?)に生まれ落ちて以来、研究は続けているがまだまだ

知らない機能というか性能の方が多いぐらいだ。


一番の能力は、装着者がどんなに未熟だろうが魔法を使えるようにさせるというもの。

そんな俺を装備できる存在、それは限られていた。


年端もいかない少女、それがその条件だったのだ。


多感な年ごろの少女が魔法という常識を覆す力を扱うのに

色々と都合がいいんだろうなあとはわかるけどな。


ただ、これらの能力もわかったのはプリムラが俺を装備したからだ。

それまでは発掘品で何かあるだろうけど動かない、

不良品のチョーカーとして古道具屋に転がっていた。


ある日、プリムラが俺を見つけてくれたおかげで

俺は元の役目を果たせるようになり、プリムラは

色々な物に目をつむれば念願の魔法少女になれているのだ。


『大丈夫。俺は気にしないというか、プリムラが感じてくれて嬉しいから!』


「全然大丈夫じゃないよう……恥ずかしくてずっと一人で戦うのはちょっと嫌だなあ」


魔力の素質自体はかなりの物を持ちながら、

それを外に放出し、自分だけでは魔法がつかえない、魔法少女失格。


それがプリムラに押された烙印だった。


今の俺と一緒ならそれは解消できるのだが、

俺の能力はその意味では効率が良すぎるようで、

魔力を扱えるような状態に取り出すと、

プリムラの全身を刺激が駆け巡るのだ。


元々、魔力は汗やそう言ったものと同じぐらいに

意識せずとも出てくるもの。


そこに問題があるからと

強制的に吸い出しているせいだとは思うが、

プリムラが感じやすいだけのような気もするなあ。


彼女には面と向かっては言わないけど、感謝している。


俺をあの埃っぽい場所から救い出してくれただけじゃなく、

名前まで付けてくれたんだからな。


『それより、早く換金しようぜ』


「あ、そうだね! ハグベアーならきっとお金になるよ!」


浮き浮きしながら駆け出すプリムラ。

無事に換金できれば、彼女とその目的のためには

多少なりとも余裕が出来ることだろう。


俺はそんな彼女の首で一緒に揺れながら、

変身した時のことを思い出していた。


(生えてないんだな……成長が遅いのか?)


まあ、プリムラはまだ少女だ、そんなこともあるだろう。


「気を付けないと聞こえてるからね、クロスくん。燃やしちゃうよ?」


『ひいいいい!!!』


黒くて底冷えのする彼女のつぶやきに、

怯える俺の悲鳴が彼女の頭の中にだけ響き渡るのだった。








拝啓


いたかどうかもわからないお父様、お母様。


俺は……体もないけど、今日も元気です。


お体に気を付けて。



連載時には搭載機能である、

T (強くなるには)

K (気持ちよくなっちゃう)

S (システム) が

詳しく説明されるはずです。


後々、

T (強くなるには)

M (もっと)

K (気持ちよくなっちゃう)

S (システム)も

実装が予定されています。



・どうでも良い書いた後の雑感


あ、変身したままだとトイレに困るな、まあいいか!





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― 新着の感想 ―
[良い点] 年端もいかない少女の装備になりたい欲求……まぁ、誰しもにありますよね(きっと)。そんな男の願望を叶えてくれる素敵な作品だと思います。汗にも質があるという下りは分かるような分からないような……
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