-序章-
初めて描いた物語です。
見苦しい文章もありますが、どうかそこは暖かい目で見てやってください。
見ての感想もいただければ幸いです
―――8月某日。
山は緑に包まれサンサンとした日が照りつける白昼。
和也は空の色を見てギョッとした。
空は見たことないほどの厚く暗い雲に覆われている。
その空を見た和也の母親が言った
「夕立でもくるのかしら…洗濯物入れなきゃ」
―違う。夕立なんかではないと和也は直感で感じていた。
和也の根拠のない直感は意外と当たる。昔から勘だけはいいのだ。
「母さん、何か変だよ。こんな空の色みたことないだろ?」
「大丈夫よ」
和也の言葉は軽く笑いながら流された。
突然、地面にゴゴゴ…と地鳴りが響く。だんだん大きく。
次の瞬間ドーンという音と共に地面に突き上げられるような揺れが襲った。
「地震だっ!……?あれ?」
不思議なことに揺れは1秒もなく収まっていた。
和也は母と顔を見合わせお互い狐につままれたような顔をする。
テレビを見ても何の情報も得られずその日は過ぎていった…
午前8時。けたたましいベルに起こされた。
「やけに目覚めがいいな」
和也は布団の上で軽くけのびをし、カーテンを開ける。
「…?なんだあれ」
遠くに塔のようなものが見えた。
当然和也の家から東京タワーもスカイツリーも見えはしない。
不思議に思った和也は階段を駆け下り、リビングへと向かった
「お母さん、なんか変な塔みたいなの立ってない?あれなに?」
「…お母さん?」
返事がない。
台所には調理していた後、机には父親が読んでいただろう新聞が置かれていた。
テレビだけが無機質なアナウンサーの声だけを流し続けていた。
「東京都にお住みの都民のみなさまは速やかに指定の避難所に避難してください。
東京都にお住みの都民のみなさまは速やかに指定の避難所に避難してください。」
「…何だよ。母さんや父さんも避難しちゃったのかよ。起こしてくれればいいのに。」
文句をぶつぶつと垂れながら避難の用意を済ました和也は指定避難所の学校へ向かった。