第22話:味のある字
続きです
指示書は誰が書いたんでしょうか……?
1つめの講義を知らせる予鈴がなりましたが、わたくしたちはまだサロンに居ました。
……もう、この状況は講義を受ける状況ではないと判断したからです。
クロエ様が「今日もサボっていいのかな……」と心配そうに呟きましたが「今はこちらのほうが大切ですわ」と引き留め今に至ります。
「とにかく!この指示書は誰が書いたのかを証明しないといけませんね……。まぁ十中八九彼女だとは思いますが……。クロエ様、指示書を誰が書いたのかはご存じありませんか?」
セレナが空気を元に戻しクロエ様に問います。
「いえ……。わかりません……。ですが、クラリス様から手渡しされたことと、指示書を見たときに子爵令嬢たちも驚いていたことは覚えています」
「……ということは、ご友人たちは書いていない可能性が高そうね……」
わたくしは改めて、テーブルに広げられたその紙を凝視しました。
そこには、お世辞にも美しいとは言えない、けれど力強く、妙に癖の強い文字が並んでいます。
(……この、変に右に流れるハネ。それに、この数字の『8』や『0』の独特な閉じ方……)
見つめれば見つめるほど、わたくしの脳裏にある光景が鮮明に蘇ってきました。
(……あっ、思い出しましたわ! これ、間違いありませんわ!)
この指示書の「味のある」筆跡と似ている……!
「セレナ、やはりクラリス様が書いたことで間違いありませんわ」
「……ほう。その根拠は?」
わたくしはとある単語を指さしました。
「この味のある文字をご覧になって。とても独特でしょう?――そして」
わたくしが鞄から取り出したのは詩の講義で配られた資料でした。
「この前の講義で、皆で作った詩を見せ合い講評する課題がありましたの。……こちらのクラリス様のサインをご覧になって。指示書の文字と比べてみると……」
「……あっ……似ていますね!だって他の方が書いた文字と違ってあまり美しくありません!」
クロエ様……先程の「怖い」のときも思いましたが結構ズバズバ仰る方でしたのね!
「……なるほど。このハネは他の方との区別になりますよ!……ということは……!」
「ええ、これでクラリス様がお書きになったと証明できますわ!」
わたくしたちは、ついにクラリス様の自作自演を証明する唯一無二の武器を手に入れました。
ですが。
これからが本当の地獄の始まりとなるなんて、この時はまだ、わたくしたちの誰も思っていなかったのです――
まだまだ5日目は続くよー!
それはそうと、投稿時間大幅に遅れてごめんねー!
別の創作してたらこんな目に……!
お詫びに新作の短編1本投稿します!
本日19時に投稿させていただきます!




