予想していた通りの返答
《サイド:阿久津信成》
「復讐が終わる…ということは、やはり王都での兵器の暴走はお前が仕組んだものか?」
問い掛けるというほどでもないが、
疑問を呟いてみると天城総魔は否定も肯定もしなかった。
だが、分かる。
遠く離れたこの地にいては王都の詳細は分からないが、
伝令部隊の報告によって王都が攻撃を受けたことは知っているからだ。
だからこそ。
今の発言から王都の崩壊は天城総魔の仕業だと考えた。
「兵器を奪い、王都を攻撃したのだな?」
その疑問に対して、
天城総魔は隠すことなく事実を答えてた。
「王都の兵器は俺達が自爆させた。そして王城に攻め込み、生き残っていた王族も全て俺の手で根絶やしにした。これでアストリアはもう終わりだ。」
…根絶やしか。
決して信じたくはない言葉だが、
疑う余地はないのだろうな。
王の死と王家の断絶。
その事実は間違いなくアストリアの終焉を意味している。
「…なるほどな。皆、死んだか…。」
ホンの一瞬だけ悲しみを隠しきれずに表情に表れてしまったが、
その一瞬の表情の変化を隠すかのように天城総魔に問い続けてみる。
「お前は気付いているのか?自分達がしていることの意味を。お前達の行動によって、この世界にどれ程の影響が出るのかを…だ。」
この状況の異常性を問い掛けてみたものの。
「興味はない。」
天城総魔は一言で否定してしまった。
「俺は俺の目的を果たすだけだ。」
考えを放棄しているのだ。
やはり、分かっていないようだな。
いや…分かろうとしていないのだろう。
自分のしでかしたことの異常さを考えようともしていないのだ。
そんな愚かな発言を聞いて、
大きな失望を感じてしまう。
「やはり…そう答えるのか。」
予測していた通りの返答だったとも言える。
出来ればそれ以外の答えを期待したかったのだが、
天城総魔は復讐の為だけに国を滅ぼそうとしているのだ。
その事実と危険性を全く理解していない発言だった。
「だからこそ…争いが途絶えることはないのだろうな。」
そう判断するしかなかったのだ。




