父と同じ言動
《サイド:天城総魔》
「…阿久津。お前の人生はここまでだ。」
はっきりと宣告しながら神剣を構えると、
阿久津は臆することなく笑ってみせた。
「ふははっ。血脈とは恐ろしいものだな…。その台詞、かつてお前の父、天城総司もそう言って剣を構えたぞ。」
…父、か。
過去を告げる阿久津の言葉によって、
かつての事件を思い出してしまった。
それは15年近く前の出来事であり、
俺にとっては初めて経験した悲劇だ。
あの事件において俺は何もしていない。
…いや。
何も出来なかったと言うべきか。
父と母の手によって、
戦場から隔離されたからだ。
そのおかげで生き残ることになったのだが、
それでも俺は戦いの一部始終を見ていた。
父が阿久津と戦い。
最期の時を迎える瞬間を見ていたのだ。
…ただ。
距離が離れていたために、
会話までは聞き取れなかった。
死を迎える前に、
父が何を語ったのかは分からない。
だがもしも阿久津の言葉が事実であれば、
俺は亡き父と同じ行動をとって、
同じ発言をしているということになるのだろう。
「父の最期は俺も見ていた。お前が止めを刺す瞬間もだ!だが、あの時の俺には何も出来なかった!魔術も使えず、剣も持てなかった。だが今は違う!!俺は…お前を殺せる『力』を手に入れた!」
あの日から、
ただひたすらに復讐を願い続けた。
学園で魔術を学び。
独学で剣術も学んできたのだ。
俺が魔術師だったことは単なる偶然だとしても、
手に入れた力を使って俺は俺の目的を果たしてみせる。
「お前を殺せば俺の復讐は終わる!!」
「復讐…か。」
終わり告げる俺の言葉を聞いて、
阿久津は何らかの疑問を抱いた様子だった。




