理由はただ一つ
《サイド:天城総魔》
…なんだ!?
今度は何が起きた?
山岳地帯全域に響き渡るほどの爆発音。
その爆発音は施設の側で休息をとっていた俺達の所にまで鳴り響いていた。
「また衝撃っ!?まさかまた兵器がっ!?」
戸惑う徹と共に施設へと視線を向けてみる。
…だが、施設から光は発していなかった。
どうやら兵器の発動ではなかったらしい。
「…違うみたいですね。」
ああ、そのようだな。
それでも不審に思った俺は、
再び魔力の波動を探ることにした。
兵器ではないとしても、
何かがあったのは間違いないはずだ。
瞳を閉じて意識を集中させてみる。
…御堂は生存しているようだな。
それほど離れていない場所に御堂の波動は確認できた。
先程、別れた場所から動いていないようだ。
それはそれで心配だが、
ひとまず他の確認もしておこう。
次に距離が近い翔子達の波動を探ってみる。
先程の場所から動いていなければすぐに見つかるはずだ。
…そう考えたのだが。
先程感じた方角に翔子達の魔力の波動は感じられなかった。
「…まさか…?」
焦りと緊張によって手が汗ばんでいく感覚を感じつつ。
広域の捜索を続けてみる。
…だが…。
荒野の近隣や周辺一帯を探ってみても、
翔子達の魔力の波動は感じられない。
『美袋翔子』『北条真哉』『米倉美由紀』
3人の魔力の波動は、
どれだけ探しても見つからなかった。
…それはつまり。
沙織と同様にその命が失われたということだ。
「…くっ…!」
唇を噛み締める俺の表情を見て、
優奈と徹は不安を感じたようだった。
「まさか…また誰かがっ!?」
戸惑う徹に続いて優奈が俺に歩み寄って問い掛けてくる。
「誰かが…っ!また誰かが…亡くなったんですかっ!?」
瞳に涙を浮かべて問い掛ける優奈の問い掛けに…事実を伝えることにした。
「北条と美由紀…そして翔子の波動が途絶えた…。」
「え…?そ…そんなっ!?」
俺の言葉を聞いた瞬間に、
優奈がしがみついてきた。
「そんなの嘘ですっ!みんなが…翔子先輩が亡くなったんて!そんなの…そんなの何かの間違いですっ!!」
涙を流しながら必死に訴える優奈だが、
どれだけ捜索しても翔子達の波動は存在しない。
距離に関係なく。
魔力の波動そのものを追跡する俺の感知に、
3人の魔力の波動が引っかからないからだ。
だとすれば、その理由はただ一つ。
存在そのものが消えてしまったとしか考えられない。
…だとすれば。
ここまで届いた爆音と衝撃。
あれは翔子の放った最期のアルテマだと推測できた。




