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THE WORLD  作者: SEASONS
4月18日
954/1056

翔子の想い

私が最初に想う人。



やっぱりそれは沙織だったわ。



沙織が今どこで何をしてるのか私は知らない。



だから私は沙織に向けて、

ただひたすらに謝罪することにしたの。






「…ごめんね、沙織…。」






一緒に、ジェノスに帰るって。



成美ちゃんの待つジェノスに帰るって約束したのに。



大切な約束なのに…守れなくなっちゃった。






「だから、ごめんね…沙織。」






一緒に帰りたい気持ちは、

今でも変わらないけれど。




だけど真哉を一人にはさせられないの。




こんな私を守るために死んじゃった馬鹿に寂しい思いはさせられないから。






「だから私は…ここに残るね。」






心の中で、必死に想いを伝えてみる。




例え届かないとしても。




この想いの中で、

沙織の幸せを願うことにしたの。






…ねえ、沙織。






私ね、知ってるんだよ。



沙織が龍馬を好きなこと。



私はちゃんと知ってるよ。




…だってね。




だってずっと一緒に居たんだから。



沙織は私の大切な親友なんだから。




だから沙織のことならね。




沢山知ってるんだよ。






…だからね。






「沙織には幸せになってほしいな。」






私には出来なかったけれど。


だけど沙織には幸せになってほしいって思うの。





心の中で想う切実な願い。



この想いは沙織には届かないかもしれない。





それが分かっていながらも。



それでも私は願い続けることにしたの。






…ごめんね、沙織。






この想いは届かないけれど。



それでも私は願い続けるわ。




最期の瞬間まで沙織の幸せを願い続けたいと思うの。






だから…だからね。






…沙織。






沙織は幸せになってね。






いつか成美ちゃんの瞳が治った時に。


その時にはちゃんと成美ちゃんの前でも笑顔でいてほしいから。





だから沙織は泣かないで。



ちゃんと笑顔でいてね。






…そして。







「ごめんね、成美ちゃん。」






沙織に願いを込めてから、

成美ちゃんにも謝罪することにしたの。






本当はもっと一緒にお話したかったけれど。



もっと沢山抱きしめてあげたかったけれど。




でももう…私の手は成美ちゃんには届かないみたい。






…だから、ごめん。




…ごめんね。






本当なら成美ちゃんの目が見えるようになるまで側に居て支えてあげたかったんだけど。




だけどもう…逢えないみたい。






「だから…ごめんね。」






心の底から。



何度も…何度も…。



成美ちゃんに謝っていたわ。






2度と見ることの出来ない成美ちゃんの笑顔を思い浮かべながら。




想像の中の成美ちゃんに微笑んでみせたの。






成美ちゃんの瞳はね。



いつか必ず治る日が来るはずよ。






私はそう信じてる。



だけど…だけどね。






それまではね。



きっと悲しい想いをするかも知れないけれど。




でもね。



どうかその時には…。


その瞳が見えるようになった時には…。






悲しい現実じゃなくて。



もっと綺麗な世界を見てほしいな。





きっと辛いことは一杯あるけれど。


でもそれ以上に嬉しいことだってあるはずだから。





沙織と同じように。



私も成美ちゃんの幸せを願うの。






「だから…成美ちゃんは幸せでいてね。」






成美ちゃんの幸福も、

強く強く願い続けたわ。






心から大切だと思える存在だから。


本当の妹のように思っているの。





毎日のように抱きしめて、

楽しい時間を過ごしてきた成美ちゃんの幸福を願い続けていたいの。





沙織と成美ちゃん。





二人の存在は仲の良い親友でもあって、

心を分かち合える家族でもあったと思うから。





そんな二人の幸福を一心に願った私は、

最後に愛すべき人を想い浮かべることにしたのよ。







「ねえ…総魔…。」







言葉では言い表せない沢山の想い。



だけど大切なことはただ一つ。






それは私にとって初めての恋で、

初めて心の底から傍に居たいと想うことの出来た大切な人だということ。




出逢ってからまだ2週間程度の関わりしかないし。



傍に居られた時間も決して多くはないと思う。






それでも…ね。





それでも私は総魔を愛したの。





総魔を想って、

総魔の助けになりたいと願ったの。





口数が少なくて、

あまり感情を見せない総魔だけどね。





そんな総魔の微笑みが、

私にとっては何よりも大切な思い出だったのよ。







「だけど…ごめんね、総魔。」







これからもずっと…。


ずっと総魔と一緒に居たかったのに…。





そう願っていたはずなのに。





今ここで逃げ出すことが私には出来ないの。




真哉を置いて私だけが幸せになんてなれないの。





真哉を犠牲にして。


私だけが幸せになるなんて出来ないから。







「だから…ごめんね。」







とめどなく溢れる想いを、

遠く離れた総魔へと語り続ける。







「…ねえ、総魔。」







優奈ちゃんとは出会えたかな?



鞄の中の手紙には気付いてくれたかな?





一緒に入れておいたご飯は、

ちゃんと食べてくれたかな?





傍に居られない私には分からないけれど。



きっと総魔のことだから何も言わずに黙々と食べてくれてると思う。






総魔は優しい人だから。



だから喜んでくれてるって信じてる。






そう思うから。



私はこの想いを一心に願うの。










…ねえ、総魔。






総魔はこの戦いが終わった時に何を想うのかな?






私はね。




総魔とずっと一緒に居たいと想ってる。


ずっと総魔の側に居たいって願ってる。






だけど、総魔はどうなのかな?




私じゃ…迷惑かな?






総魔は優しい人だから。



そんなふうには言わないと思うけど。






…でもね。






もしもこんな私のことを少しでも想ってくれたなら。



私は自信を持って幸せだったと思えるの。






総魔と出逢えて良かったって、

心の底から思うことが出来るの。






ホントよ?






だからホンの少しだけでも私のことを想ってくれたなら。



それだけで『幸せ』だと想う。






普段あまり感情を見せない総魔の微笑み。





その笑顔を思い浮かべながら。



心の中で問い掛けてみることにしたの。







…ねえ、総魔。







総魔は私のことをどう思っていたのかな?




総魔の気持ちは分からないけれど。




私はね。



はっきりと言えるんだよ。









「私は総魔が好き。」









きっとこの想いは永遠に変わらないって思う。




例えここで倒れたとしても。



私のこの想いだけは、

絶対に変わらない自信があるの。





だから総魔。




私のこの気持ちだけは忘れないで欲しいな。






総魔に宛てた手紙。






その2枚目に託した想い。






嘘偽りのない私の本当の気持ち。






何よりも伝えたかったこの想いだけは知っていてほしいと願うの。








「ねえ、総魔。」








手紙に託した私の心。




私ね…総魔のことをずっと見てたんだよ。




側に居たくて。


置いて行かれたくなくて。




凄く頑張ったんだよ。





苦手な勉強も頑張って。



こっそり努力して。




少しでも総魔に近付けるように。



ずっとずっと頑張ってたんだよ。






そんなふうに記した手紙。






その手紙の最後の一行に。






私は全ての想いを込めたの。



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