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戦友の死
《サイド:近藤悠護》
「死ぬつもりはありません!僕は生き残る為に戦うんです!!」
…ははっ。
雨宮は心配しているようだが、
武藤君に後退する気持ちはないようだな。
戦えるからこそ、逃げようとは思わない。
そういう考えだろう。
雨宮を残して再び駆け出す武藤君。
その後を追ってまた追いかける雨宮。
そんな二人の背中を見送ってから、
俺は倒れた久志に視線を向けることにした。
「………。」
ピクリとも動かない体。
何も言わない久志はすでに息絶えている。
長年、俺と共に戦場を駆け抜けてきた戦友はこのアストリアの地で倒れてしまったのだ。
「すまない、久志。お前まで死なせてしまったな…。」
親友とも呼ぶべき戦友の死。
その死を受け止めてルーンを握り締める。
「このまま敗北するつもりはない!お前の分まで…俺は生き残って見せる!!」
決意を込めて再び戦場を駆け出す。
「これ以上、仲間は殺させん!」
全力で叫び。
アルビオンに魔力を込めて戦場を駆け抜ける。
最後まで生き抜く為に。
そして帰るべき場所へたどり着く為に。
共和国軍の決死の抵抗が始まった。




