約束を守るために
《サイド:武藤慎吾》
「は、ははっ…。」
ギリギリ間に合った…のかな?
あと一歩出遅れていたら、
間に合わなかったかもしれないけれど。
お兄さんが攻撃を受ける前に、
飛び出すことに成功したんだ。
「…間に合った。」
そう思えただけで自然と笑っていた。
悠理のお兄さんを守れたんだ。
そのことが何よりも嬉しかった。
「お兄さんは…死なせないっ!!」
悠理と約束したんだ!
悠理は必要ないって言うけれど。
それでも僕は約束したんだ。
悠理の笑顔を守るって!
お兄さんを守るって約束したんだ!!
…だから僕は。
体中から血を流しながらも。
痛みで体を小刻みに震わせながらも。
それでも目の前の陰陽師に斬り掛かった。
「殺させはしないっ!!」
勢いよく振る血まみれの剣。
その刃が陰陽師の体を斬り裂いた。
「ぐあああっ!!!」
体を斬られて倒れ込む陰陽師は即死だったように思える。
「これでいい…。」
これでお兄さんの無事は確保できたはずだ。
倒れた陰陽師の姿に目もくれずに、
再び突撃を繰り返す。
「死なせはしないっ!!!」
剣を振る。
その刃が一人、また一人と陰陽師の命を奪っていく。
…だけど。
それも長くは続かなかった。
「「「急々如律令!!!」」」
放たれる護符が僕にも襲い掛かってくるからだ。
「「「雷神逆鱗!!」」」
…ぐっ!?
複数の雷撃が僕の体を飲み込んでしまう。
「うぁぁぁぁぁっ!!」
体が痺れて、意識さえも吹き飛びそうになる。
…だけど。
今は気力で耐え凌いでみせた。
死にたくないから。
負けたくないから。
「気持ちだけは絶対に屈しない!!」
雷撃に襲われて後方へ吹き飛んでも!
その衝撃で剣を落としてしまっても!
激しい勢いで何度大地に激突しても!
息も出来なくなるほどの衝撃を受けて苦しんだとしてもだ!!
それでも何度でも立ち上がり続ける。
「まだ、まだぁ…っ!!」
よろよろの体で必死に立ち上がると。
「あぁ~っ!もうっ!!!!」
何故か怒り気味の雨宮さんが駆け寄ってきてくれたんだ。




