937/1068
がむしゃらに
《サイド:武藤慎吾》
…うおおおおおおおおおおおおっ!!!!!
戦場を必死に駆け抜ける。
たいした戦力にならないことは自分でも嫌ってほど理解してるけどね。
だけど、それでも、戦いたいんだ!
倒れた兵士から回収した剣を握りしめて、
陰陽師軍へと襲い掛かる。
「悠理は僕が守るっ!!!」
全力で叫んで剣を振る。
比較的、軽そうな剣を選んだつもりだったけれど。
遠心力に振り回されてしまって上手く体勢が維持できなかった。
…けれど。
それでも斬りかかること自体は成功していたみたいだ。
「ぐぅっ…あぁっ!!」
僕の剣が陰陽師の体を切り裂いていた。
まずは一撃。
続く二撃目で陰陽師の体を貫く。
この段階で陰陽師は意識を途絶えさせたようだ。
その場にどさりと崩れ落ちて、
口から血を吐いて動かなくなった。
これで一人。
だけど敵はまだまだ沢山いるんだ。
立ち止まっている暇はない。
死亡した陰陽師から視線を背けて、
再び戦場を駆け抜ける。
「悠理には攻撃させないぞっ!!!」
ただ悠理を守るために。
この手を血で汚しながら。
この体で血を浴びながら。
僕も戦場を走り続けた。




