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助かる可能性
《サイド:米倉美由紀》
落ち着いて状況を判断するのよ。
北条君を守りつつ。
敵の接近を妨げていく。
私の役目は牽制よ。
無理に敵を一掃しようとする必要はないわ。
高威力の魔術で一気に殲滅を狙うよりも、
北条君と翔子の魔力が少しでも回復するように時間を稼ぐのが最優先なのよ。
特に翔子の魔力の回復が重要になるわ。
上手くいけばアルテマの一撃でアストリア軍を殲滅出来るからよ。
それに北条君自身の魔力が回復すれば、
多少なりとも自分自身の治療が出来るはず。
イチかバチかの可能性を考慮して私が攻撃を仕掛けるよりも、
翔子の攻撃に願いを託したほうが生存率は高いはずなの。
そんなふうに考えながら時間稼ぎに徹していたわ。
戦闘は翔子と北条君に任せて、
私は魔力の節約のためにひたすら敵の足止めを繰り返すことにしたのよ。
「教え子にばかり、無理をさせられないのよ!!」
叫び、魔術を発動する。
…だけど。
あとどのくらいの時間が稼げるのかしらね?
私の魔力が底をついて全滅するのが先か。
それとも翔子の魔力が回復して、
アストリア軍が全滅するのが先か。
その答えは翔子次第なのよ。
「まだよ!まだ終わらせない!私の魔力が尽きる前に!この戦いを終わらせて見せるわ!!」
必死に宣言してみるけれど。
残された魔力は…あと僅かしかないわね。




