守るための戦い
《サイド:常盤沙織》
…私が戦う理由?
それはすぐに思い浮かびました。
「私はただ、守りたくて…。町を、家族を、友達を、そして…」
何よりも龍馬を守りたかったのです。
心に想う人の名前を心の中で強く思いました。
それが私の願いであり、
戦う理由だからです。
そのことに気づけたことで、
私はもう一度、真田元国王と向き合うことができました。
「私は何も知りませんでした。いえ、何も知ろうとしていませんでした。ですが、それでも私の気持ちは変わりません!私には守りたい人がいるんです!!だから…だからっ!」
だから私はここにいるのです!
「世界がどうかに関係なく、私は私の大切な人を守りたいだけなんです!」
「…愚かだな。」
はっきりと告げる私の言葉を聞いて、
真田元国王は再びため息を吐いていました。
「やはり話は平行線をたどるしかないということか…。」
私の説得ができなかったことで、
真田元国王は何かを諦めた様子ですね。
「仕方あるまい。話し合いが通じないのであれば、力無き弱き者達の為に…最期までこの正義を貫き通すのみだ!!」
再び戦う意思を示した真田元国王は、
鞍馬総司令官を強く強く睨みつけました。
「例え死が確定した絶望的な戦いであろうとも!この命がある限り、最後まで魔術師に屈するわけにはいかんのだ!!」
全力で叫ぶ真田元国王ですが、
アストリアの正義に対して鞍馬総司令官が反論しています。
「魔術師というだけで追われ、迫害を受け、苦しむ者達に救いの手を差し延べる!それが共和国の正義だ!!」
アストリアが掲げる正義、
それは『力無き人々を守ること』
共和国が掲げる正義、
それは『無実の魔術師を守ること』
どちらも守る為の戦いなのです。
決して私利私欲ではなくて、
互いに守るべき者達の為の戦いだったのです。
その戦いに話し合う余地などどこにもありませんでした。
互いの意見がぶつかり合う真田元国王と鞍馬総司令官。
それぞれの正義を掲げる二人の会話は、
この時点で打ち切られたのです。




