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THE WORLD  作者: SEASONS
4月17日
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不思議な物体

「どうも緊張してしまいますね。」



場合によってはこの先に兵器があるかもしれないからです。



そう思うだけで緊張してしまうのは仕方がないですよね?



町を一つ壊滅できるほどの破壊力を持つ兵器なのですから。


不安を感じないほうが異常です。



そんなことを考えながら『実験室1』と書かれた部屋に近づいてみると。


室内からは人の話し声と機械の動作音が聞こえてきました。



「こちらには誰かがいるようですね…。」



更衣室の使用済みロッカーはおよそ20。



そして現在、研究所にいると思われる職員は実験班のみ。



だとすれば。


必然的に実験室には20人程度の職員がいることになるのではないでしょうか?



「上手く紛れ込めるかどうかは運次第…でしょうか。」



呟きながらも歩みを進めました。



そして扉に接近しようとすると不意に『ガチャッ…!』と、扉が開かれました。



目の前で開かれた扉の向こう側の室内から、

一人の男性職員が歩み出てきます。



「お!?」



不思議そうに僕を見つめる男性は僅かに戸惑ったあとで笑顔で歩み寄ってきてバシバシと僕の肩を叩きました。



「もう交代にきたのか?12時までまだ1時間もあるのに、やる気じゃねえか。」



上機嫌で笑顔を浮かべる男性は、

何かを勘違いした様子で強引に僕を室内に押し込みました。



「それじゃあ、あとはよろしくな!」



返事を聞こうともせずに男性は立ち去ってしまいます。



「えーっと…。」



状況が飲み込めないのですが、

迷っている暇はないようですね。



何かを勘違いした男性と入れ代わりに実験室へと押し込まれた僕の周辺では、

忙しく動き回る職員達の姿が見えるからです。



「…ぅわぁ…」



実験室内を忙しそうに駆け回る人々を眺めながら立ち尽くしてしまいました。



「この状況は…どうすれば?」



戸惑い立ち尽くす僕に、

一目で役職のある立場だと分かる偉そうな雰囲気のある男性が歩み寄って来ました。



「そんな所で何をしている!?」



何を…と聞かれても、

どう答えればいいのかわかりません。



そもそも自分の意志で入ったわけでもありませんので、

怒鳴るように声を掛けてきた男性に対して慌てて頭を下げて謝罪することにしました。



「す、すみません。まだ入ったばかりの新人でして…。」



咄嗟に言い訳する僕を見て、

男性は僅かに首を傾げている様子です



見慣れない僕の存在に疑問を感じているのかもしれませんね。



初対面の僕を不審に感じたのか、

男性は一つだけ質問をしてきました。



「俺の名前を言ってみろ。上司の名前くらいは覚えているな?」



僕を試そうとする男性ですが、

『とある一言』によって僕は即座に答えを導き出しました。



男性は上司と言ったのです。


実験班1の責任者の名前はしっかりと覚えています。



木之本渉きのもとわたる主任です。」



即答する僕を見て、

木之本主任は更に首を傾げています。



全く見覚えがないにも関わらず、

即答で答えた僕を不思議に思っているのでしょうか。



ですが僕を疑う余地がなくなったのか、

ようやく警戒心を解いてくれました。



「まあいい。仕事は覚えているか?」


「い、いえ、まだ…。」


「…はぁ。」



素直に答えたが良かったのでしょうか。


ため息を吐きながらも、

説明してくれる雰囲気が感じられました。



「まず最初に『あれ』が何かは分かるな?」



木之本主任が指差す視線の先には未だかつて見たこともない『不思議な物体』があります。



直接地面に設置されているかのような『何か』です。



それは羅針盤にも似た大きな円形の『何か』です。



初めて見る物体なのでアレが何なのかは知りません。



ですが。



この状況で思い浮かぶ答えは一つしかありません。



…というよりも。



それこそが僕達の『探していた物』なのですから。



「…戦略兵器…。」



呟いた僕の言葉を聞いて、

木之本主任は満足そうに頷いています。



「うむ。そうだ。あれの整備がお前達の仕事だ。」



兵器の整備のために実験班が集まっているようですね。



「これを読みながら、その辺りの整備員にでも説明を受けろ。」



木之本主任は書類の束を僕に差し出しました。



そして一方的に指示を出してから、

さっさと離れてしまいました。




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