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THE WORLD  作者: SEASONS
4月17日
842/1200

消火活動

《サイド:朱鷺田秀明》



…先程と変わりませんね。



研究所の入口に戻って周囲を確認してみると、

受付の女性は今もまだ忙しそうに仕事をしていました。



「こんな時間まで仕事とは…大変そうですね。」



黙々と仕事を続ける女性の視界から逃げるように移動します。



そしてこっそりと研究所の外に出ました。



…問題はここからなのですが。



敷地の入り口にいる警備兵達を眺めながら、

どうするべきかを考えてみました。



警備兵がいる門から研究所の入り口まではおよそ30メートルです。



全力で走り抜ければ、

ものの数秒で突破できる距離になります。



敷地内にも巡回兵がいるのですが、

数秒程度であれば切り抜けるのは難しくないでしょう。



…問題は5人の警備兵ですね。



先程、三倉さん達の対応をしてくれていた兵士達です。



彼らをどうにかできれば問題は解決するのですが、

具体的な解決策はすぐには思い浮かびません。



「…やはりここは賭けに出るしかありませんね。」



突破口を開くために、

警備兵達に歩み寄ることにしました。



「あー。すみません。」



警備兵達に話し掛けると。



「ん?」


「どうかされましたか?」



一斉に振り向かれてしまいました。



…これは思った以上に緊張しますね。



それでも逃げ出すわけにはいきません。



警備兵達の視線を受けながらも、

『コホン』と咳ばらいをしてから仕事をお願いしてみることにしました。



「裏手で起きた火災の消化活動に手が足りないという報告がありまして、少し協力して頂けないでしょうか?」


「「「………。」」」



私の話を聞いた警備兵達はそれぞれに顔を見合わせてから、

研究所の裏手で立ち上る煙へと視線を向けました。



モクモクと広がる煙。



未だに消化出来ない炎が生み出す煙は今もまだ続いています。



それを見た兵士達は、

どうするべきかを話し合い始めました。



「どうする?行くか?」


「警備はどうするんだ?」


「少しぐらいなら何とかなるだろ?」


「この状況なら火を消す方が優先じゃないか?」


「いやいや…どう考えても、警備が優先だろう?」



口々に話し合う警備兵達に笑顔で割り込みます。



「離れると言っても裏手ですので心配はいらないでしょう。何かあれば大声で呼びますので。」


「………。」



私の説得によって、

警備兵達は渋々動き出しました。



「仕方がない。消火に向かうぞ。」



颯爽と走り出す警備兵に続いて、

他の警備兵達も続々と走り去っていきます。



その結果として。



入口の警備が一時的に手薄になりました。



「今しかないですね。」



警備兵が立ち去ったのを確認した私は、

正門から天城さん達に向けて静かに手招きをしました。



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