変わらない
《サイド:三倉純》
『ブォォォォォォォォォンッ!!!!!!!』
『ブォォォォォォォォォンッ!!!!!!!』
『ブォォォォォォォォォンッ!!!!!!!』
幾度となく繰り返される警報音。
それは町の西側でも鳴り響いていたわ。
「…な、何なの!?」
研究所の裏手で立ち止まって周囲を見回してみる。
戸惑う私と同じように、
すれ違う通行人達も似たような行動をとっているわね。
「…で、ホントに何なの?」
状況が把握できずに悩んでいると、
突然朱鷺田さんが駆け寄ってきたのよ。
「三倉さん!」
「ん…?」
呼ばれて振り返ると、
朱鷺田さんが撤退を告げてきたの。
「一旦、この場を離れましょう。」
「え、ええ…そうね。」
状況がよくわからないし。
離れたほうがいいかもね。
別行動をとっていた私と朱鷺田さんは、
事態の急変を感じて急いで研究所の側から離脱したわ。
『ブォォォォォォォォォンッ!!!!!!!』
『ブォォォォォォォォォンッ!!!!!!!』
『ブォォォォォォォォォンッ!!!!!!!』
ひたすら鳴り響く警報音。
そのせいなの?
研究所も慌ただしくなっているみたいね。
研究所の正面へと回り込んでから様子を伺ってみると、
しばらくしてから多くの兵士達が研究所から飛び出してきたわ。
…うっわぁ。
数多くの警備兵を見た瞬間に、
私達の頬に冷たい汗が流れたのよ。
「もしかして私達の潜入が見つかったとか?」
「…どうでしょうね。」
不安を感じてしまったけれど。
朱鷺田さんは黙ってじっと状況を見守っているわ。
「…こっちに来ないでよね〜。」
不安を抱えながら眺めていると、
兵士達は私達に関わることなくどこかに走り去って行ったのよ。
…とは言っても。
その数は決して多くはないわね。
研究所の警備はそれほど変わってないように思えるからよ。
厳重な警備は変わらないわ。
まだまだ近付けるような雰囲気じゃないの。
「どういうことでしょうか?」
「さあ?でも、もしかしたら、他の誰かの潜入がバレたのかも…?」
新たな不安を感じる私の言葉を聞いて、
朱鷺田さんが決断を下したわ。
「一旦、撤収しましょう。隠れ家に戻って全員の無事を確認することが優先だと思います。」
ええ、そうね。
「そうしましょう。」
私の同意を得たことで朱鷺田さんは王都の南側にある隠れ家に向かって走り始めたわ。
「急ぎましょう。何かあってからでは手遅れです。」
「ええ!」
朱鷺田さんに頷いてから、
私も撤退を開始したのよ。




