合流地点は?
《サイド:栗原徹》
さてさて。
時刻はすでに午前5時50分ですね。
まもなく約束の6時になってしまいます。
徐々にですが確実に明るくなっていく空を、
僕と愛里ちゃんはじっと眺めていました。
…とは言っても。
空に何かがあるわけではありません。
単純に途方に暮れているだけです。
具体的な合流地点が決まっていないので、
どこで待てば良いのかが分からなかったからです。
そのせいで僕達は南門付近で静かに身を潜めて隠れていました。
「ここで良いのでしょうか?」
不安を感じて戸惑う様子の愛里ちゃんですが、
その問いには答えようがありません。
「南門付近という指示でしたので、この辺りが妥当だと思うのですが…どうでしょうね。」
今はもう少し様子を見るしかないでしょう。
僕にしても愛里ちゃんにしても不得意な分野なのですが、
天城さんなら僕達の魔力の波動を追跡できるはずです。
…ですので。
天城さんとさえ合流できれば、
朱鷺田さんとも三倉さんとも合流できると思います。
「待っていれば天城さんから迎えに来てくれると思いますよ。」
そう信じて待ち続けていると、
視界に一人の人物が映りました。
「…どうやら正解ですね。」
予想通りに天城さんから接近してくれたんです。
周囲の警戒は続けながら、
ひとまず天城さんに歩み寄ることにしました。
「お待ちしていました。」
呼び掛ける僕の存在にすでに気付いていたのでしょう。
天城さんは特に戸惑うような様子もないまま小さく頷いてくれました。
「無事で何よりだな。」
「ありがとうございます。」
お礼を言ってから天城さんを愛里ちゃんの待つ場所へと案内します。
「正直どうしようか困っていたところだったので合流出来て良かったです。」
案内した先は南門を見渡せる小さな公園です。
幾つかの木々に身を潜めればあまり目立たないと言える程度の隠れ場所なのですが。
本気で隠れてしまうと仲間からも気付かれなくなってしまう可能性がありますからね。
僕と愛里ちゃんはこっそりと公園に身を潜めていたのです。




