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仲間の死
《サイド:近藤悠護》
…ちいっ!!
やはり追撃部隊が潜んでいたのか!
偵察部隊を派遣する前にアストリア軍が攻め込んできた。
現状、南門の制圧は完了しかけているが、
これからまだ敵の増援部隊が迫ってくる可能性があるからな。
下手に南門を離れないほうがいいだろう。
「雨宮!!兵を率いて追撃部隊を向かい討て!!」
「はい!!」
急いで迎撃準備を整える雨宮が4000の兵を率いて駆け出していく。
「今回はもう手加減なしよ!ありったけの魔力を込めて攻撃開始っ!!!」
雨宮の指示の下で一斉に始まる魔術の詠唱。
この時、雨宮はまだ気付いていなかったらしい。
この場に『木村泰輔』がいないことに、だ。
俺はすでに疑問として感じていたのだが、
どれだけ探しても木村大輔の姿は見当たらなかった。
雨宮と共に撤退したはずの木村大輔の姿が見当たらないのだ。
考えられる理由は一つしかない。
「やはり、木村も散ったか…っ。」
仲間の撤退を支援する為に時間を稼ぎ。
必死に戦ったうえで散っていったのだろう。
その事実を雨宮はまだ気付いていない様子だった。




