6人の幹部
《サイド:????》
…共和国軍は合流してしまったか。
どうにか阻止しようとあがいてはみたが、
全てが思い通りにならないのは仕方がない。
…それでもだ。
予定通り、こちらの部隊を見失った様子だな。
疑心暗鬼に陥る共和国軍を樹海の奥からじっと眺めてみる。
向こうはこちらの動きを警戒している様子だが、
現時点ではまだ攻撃を仕掛けるつもりはない。
こちらにも段取りというものがあるからな。
「ここまでは予定通りと言うべきか?」
「今の所はそうだが、作戦の失敗は多くの仲間達の命を失うことになるだろう。」
…ああ、そうだな。
一人でも多く生き残る為には、
俺達で戦争を終結させる必要がある。
「まだまだ油断は出来んか…。」
「ああ、結果を出すまでは戦い続けるしかない。」
答えてくれたのは水門の部隊を率いていた伊川拓郎だ。
アストリアの全ての軍の頂点に立つ元帥でもある。
今では戦友とも呼べる存在だが、
若かりし頃は互いに出世を競い合った仲でもあった。
「全滅か勝利か…結果は二つに一つ。出来ることなら勝利で終わりたいものだな。」
願いを込める俺の名は吉澤圭吾。
アストリアの国境警備を一手に任される総司令官でもある。
立場的には共和国の鞍馬宗久と同列だな。
まあ、そんなことはどうでもいい話だが。
先代国王である真田照栄様を筆頭に。
軍師、九条秀人。
国境警備隊隊長、兵藤進一。
猛将、国守鏡吾。
アストリア軍元帥、伊川拓郎。
国境警備隊総司令官、吉澤圭吾。
この6人こそが、この砦の幹部になる。
そしてこの6人こそが、
共和国軍にとっては倒すべき相手だと言えるだろう。
「俺の部隊は砦に引き返す。内部を経由して南門の殲滅に向かうつもりだ。吉澤はこのまま軍を進めてくれ。」
方針を決めた伊川が兵の半分を率いて西門へと撤退し始める。
「再び前後からの挟撃作戦か。さて、共和国軍は一体どこまで耐え切れるのか見せてもらおうか。」
俺もゆっくりと歩み出る。
「この戦いが滅亡か勝利か。互いの運命をかけて突き進むのみだ!」
気合いを込めて叫び。
力強く剣を振りかざしてから配下の兵士達に指示を出す。
「全軍、突撃っ!!!!!!!」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」」」」」
1万の兵士達が一斉に動き出す。
全力で駆け出す兵士達の騒音と怒号。
その異変を聞き付けたのか、
共和国軍も即座に決断を下した様子だった。




