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THE WORLD  作者: SEASONS
4月4日
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二人の男子生徒

《サイド:美袋翔子》



…はぁ、はぁ、はぁ。



寝起きで走るのはさすがに無理があったわね。


体調に問題なくても、

体力的に無理をした気がするわ。



それでも。



医務室を飛び出した私と沙織は、

無事に第1検定会場にたどり着いたのよ。



「とりあえず、中に…。」



入ろうとして立ち止まってしまう。



…ええ〜っと…?



何この雰囲気?


何故か会場内には重苦しい緊迫感が漂ってるのよ。


誰もいないわけじゃないのに。


いつもとそう変わらない程度には人がいるはずなのに。


それなのに。


誰も一言も話さない異様な雰囲気が漂っているの。



「な、何かあったの?」



たどり着いたばかりで何があったのかわからない。


だけど『何か』があったのは間違いないわ。



会場内の中央。


その試合場に見覚えのある人物がいるの。


美春が教えてくれた通り、

この会場にまだいたのよ。



試合場に立っている男子生徒。


彼が誰かなんて考えるまでもないわ。



探し求めていた総魔よ。



そして彼の足元には二人の男子生徒が倒れてる。


私もよく知る二人の生徒は生徒番号6番の岩永一郎君と生徒番号7番の大森遼一君ね。



二人は矢野桃花と同じで私の同僚でもあるんだけど。


すでに意識を失っている状態みたい。



「試合終了!!勝者、天城総魔!!」



試合終了の宣言。


審判員をしていたのは何故か真哉だったわ。



…ホントにあのバカが総魔に会いに行ってたのね。



状況がまだ飲み込めないけれど。


私達がたどり着いたちょうどその瞬間に試合の決着がついたみたい。



…総魔が勝ったの?



真哉から視線を逸らして総魔に視線を向けてみる。


距離があるから表情までは分からないけれど、

今朝見せてもらった魔剣を解除して一息ついている様子は見えたわ。



「総魔が、あの二人に勝った?」



その事実が理解できないほど馬鹿じゃない、と思う。


誰がどう見ても総魔の勝利は明らかだから。


だけど、すぐには受け入れられないような状況だったのよ。



「2対1で…勝ったの?」



試合場に倒れている岩永君と大森君に視線を向けるだけで冷や汗が流れてしまう。


あの二人はどちらもそれなり以上の実力があるはずなのよ。



私と比べてもそんなに実力に差があるわけじゃないの。



今まで一度も負けたことはないけれど。


だからと言って100回戦って100回とも勝てるとは言い切れない相手なのよ。



運や状況次第では私が負ける可能性もある。


それくらいの実力は持っているはずなの。



だから少なくとも二人を同時に相手して勝てる自信なんて私にはないわ。



それなのに。


私でさえ危険視する二人を相手にして、

総魔は無傷で勝利したみたい。



『圧倒的な実力』



総魔との実力差を感じてしまったことで再び総魔に対して恐怖を感じてしまったのよ。



「…どこまで成長していくの?」



無意識のうちに総魔を恐れてしまって、

逃げるかのように視線を逸らしてしまう。


そして隣にいる親友に視線を向けてみると、

呆然と立ち尽くす沙織も驚きを隠せないでいる様子だったわ。



「何かの間違い…では、なさそうよね?」



沙織も私と同じように総魔の示した結果を見て戸惑っていたのよ。



「あの人が、天城総魔なの?」


「…え?あ、うん。そう。あれが総魔。間違いないわ」



戸惑う沙織の問いかけに応えてはみたけれど。


現状で何をどうすればいいのか分からなくて立ち尽くしてしまったわ。


そんな私達の存在に気づかないまま当然の出来事のように試合場を立ち去ろうとする総魔と真哉。


それぞれが互いの存在に気が付くのにかかった時間はホンの数秒だったと思う。


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