表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
4月4日
77/185

救援要請

《サイド:鈴置美春》



…う~ん。



どこから説明すればいいのかしら?


一から全部ってなるとなかなか大変なんだけど。


とりあえず要点だけをまとめるとすれば、

ざっと一時間ほど前の出来事からかしらね。



今日は試験会場に行くつもりがなかったから、

休憩もかねて医療班のみんなと一緒に医務室でのんびり休んでいたんだけど。


そこに突然、検定会場から救援の要請が入ったのよ。



怪我の容態や状況とか色々と不明な部分はあったんだけどね。


複数の生徒が重体だっていう連絡が入ったの。



その知らせを聞いた私達は急いで目的の会場に向かうことになったわ。



結構急いで向かったから10分もかからずに到着したんだけど。


私達が第2検定試験会場にたどり着くのと入れ違いに天城総魔は試合場を離れていったの。



そのことには気付いていたんだけど。


その時点ではまだ天城総魔が関わってるっていう情報はなかったし。


負傷した生徒の救助を最優先しなければいけないっていう状況にあったから話しかけに行く余裕はないまま搬送に駆けつけたのよ。



…そこでね。



私達は疑問を感じて立ち止まってしまったわ。



何故か試合場には『8人』の生徒が倒れていたのよ?



8箇所の試合場で生徒が倒れているのなら疑問は感じないけれど。



今回はそうじゃなかったの。



意識不明で倒れている8人の生徒達は一箇所の試合場に点在していたからよ。



その状況だけを見れば各試合場から集められたわけじゃなくて、

倒れた場所そのままの場所で放置されているように思えるわよね?



だからそのことを不自然に思った私は周りにいる係員に尋ねることにしたの。



検定試合は『1対1』で行われているはずなのに「どうして8人の生徒が倒れているんですか?」ってね。



その問い掛けに返ってきた答えは私達を驚かせるのに十分な内容だったわ。



まあ、どうして驚いたのかは、

もう言わなくても分かるわよね。



天城総魔は『8対1』で試合を行っていたのよ。



そのうえで圧勝ともいうべき結果を残して試合場を去って行ったの。



試合場に残されたのは全ての魔力を失って昏倒する8人の生徒。



その惨状を再び目にした私達は背筋に冷たいものが走り抜けるのを実感したわ。



だけどそれは私だけじゃなかったようで、

そもそも検定会場にいた人達も同じ思いだったみたい。



誰も何も言えない異様な雰囲気。


そんな静寂の中で黙々と救助作業は進んでいったわ。



そうして8人の生徒は医務室に運び込まれる事になったの。


ここまででも十分すぎるほど異常事態だとは思うんだけど。


その直後に再び緊急事態が起きてしまったのよ。



別の検定会場からも救援の要請が入ったの。


その出来事はだいたい30分くらい前の話になるかしら?



先程の生徒達と同じように全ての魔力を失った生徒達が倒れているという情報を受けて、

私達は再び会場に向かって走り出したわ。



報告を受けてから到着までに今回も10分かからなかったと思うんだけどね。


私達が第1検定試験会場に着くと、

何故か天城総魔は会場の入口で休憩していたのよ。



一応顔見知りだから彼に話し掛けるかどうか悩んだんだけれど。


あくまでも救急班としての役目があるから、

倒れた生徒達の回収を優先して目的の試合場に向かうことにしたの。



そこで見たのは先程と全く同じ状況だったわ。



違うのは『8人』じゃなくて『5人』という事だけ。



だけど、人数は問題じゃないわよね。



倒れているのは最上位に位置する生徒達なのよ?



8人が5人になったからといって簡単に勝てるような試合じゃないはず。



それなのに試合結果は5人の敗北で終わってた。



もちろん彼が圧勝したことは確認するまでもないわよね。



なぜなら彼は会場の待合所で堂々と休憩しているんだから。



少しでも苦戦していたのなら格下からの挑戦を回避する為に会場を出ているはずよ。



だけど彼はそうはしなかった。



勝負から逃げるような態度は見せに、

堂々と待合所で休んでいたの。



まだまだ戦える余力があるのは一目瞭然よね。



だから私達は彼に話しかけることを後回しにして、

倒れている5人を救助して医務室へ引き返す事にしたのよ。



その間も彼はずっと会場にいたんだけど。


誰一人として彼に近付こうとはしなかったわ。



私としては彼を避けるつもりはなかったんだけど、

医療班としての仕事があるから寄り道をする暇はないし。


そのまま医務室まで戻ってきたっていうのが現状ね。



そして現在に至るって言えば分かってもらえるかしら?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ