鈍感?
《サイド:三倉純》
うんうん。
僅か数時間の休憩だけど。
それでも身体を休める時間が出来たことで、
それぞれの心に余裕が生まれた様子ね。
笑顔を浮かべる栗原君は、
お腹を押さえながら出口に向かって歩きだしたわ。
「さすがに徹夜明けでお腹が空いたので、朝食を食べてきます。」
「あ…私も行きます!」
部屋を出ようとする栗原君を愛里ちゃんが即座に追い掛けて行くのよ。
…これも青春よね~。
羨ましいわ。
「頑張れ~!」
駆け足で追い掛ける愛里ちゃんを笑顔で見送ってあげたのよ。
「…ぁぅ…。」
顔を赤く染める愛里ちゃんだけど。
話の流れを理解出来ない栗原君は不思議そうに首を傾げているわね。
そして愛里ちゃんの気持ちに全く気付かないまま、
愛里ちゃんに視線を向けているのよ。
…うわあ~。
ホントに分からないのかしら?
鈍感なの?
それとも興味ないの?
栗原君の考えは分からないわ。
だけど恥ずかしそうな表情の愛里ちゃんがちょっぴり可哀想よね。
いい加減、気づいてあげればいいのに、って思うけど。
栗原君に追求する気がなさそうなのよね~。
「行きましょう。」
自然な動きで愛里ちゃんの手をとって歩き出す栗原君に戸惑う様子の愛里ちゃんは再び真っ赤になってる。
それでも栗原君は愛里ちゃんの気持ちに気付かないまま朝食に出掛けてしまったのよ。
…うぅ~ん。
これも青春なの?
…ままならないわね〜。
二人の関係を楽しげに見守ってみる。
そうして二人がいなくなってから私も席を立つことにしたのよ。
「せっかくだから、私もご飯を食べてくるわね~。」
気分転換を兼ねてね。
今回は一人で出掛けることにしたのよ。




