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THE WORLD  作者: SEASONS
4月15日
730/1236

栗原徹

…すでに日が沈んでいる時間だからな。



はっきりとした全貌が見えるわけではないものの。


ジェノス魔導学園と比べれば、

半分にも満たない規模の学園になるだろう。



校舎の大きさも4階建て程度だな。


それほど大きくはない。



だが、それでも。


学園の存在感は決して小さくはないように思える。



堂々とそびえ立つ校舎と広大な敷地。



ジェノスのような検定会場はないが、

数多く見える建物は医療施設だろうか。



目的こそ違うとしても、

ここも立派な学園である事に間違いはない。



「ひとまず中に入るか。」



月明かりだけが照らし出す暗闇の中で学園に接近してみる。



まずは正門と思われる場所を目指してみたのだが、

校門の前に一人の青年が立っている姿が見えた。



…この時間にいるという事は。



俺を待っていたと考えるべきだろうか?



確認の意味も含めて正門に近づいてみると。


青年も俺の姿に気付いたらしい。



近づく俺に話しかけてきた。



「天城総魔さんですね?」



足を止めて頷く。



「ああ、そうだ。」


「学園長からお話は聞いています。中にご案内しますのでこちらへどうぞ。」



先行して歩き出す青年のあとを追って俺も歩きだす。


そうして校舎へと歩みを進める途中で、

青年から自己紹介をしてきた。



「順序が逆になってしまいましたが、一応自己紹介をしておきますね。僕の名前は『栗原徹くりはらとおる』と言います。おそらく魔術大会で会っていると思いますが、栗原薫くりはらかおるの兄になります。」



…ああ、薫の兄か。



言われて栗原徹の顔を眺めてみる。



そっくりというほどではないものの。


どこか面影があるようには思えた。



「兄妹で魔術医師なのか。」


「ええ、そうです。一応、この学園での僕の成績は3位になります。…とは言っても、他の学園とは違って、この学園は戦闘の実力制ではなくて医療技術で決まりますので、大会に参加出来るほどの実力は僕にはありませんけどね。」



恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべる徹の表情は妹の薫とよく似ている。



「…なるほどな。笑い方がよく似ているな。」


「そうですか?自分達では分からないんですが、周りにはよく言われますね。」



微笑み続ける徹の表情はどこか嬉しそうに見えた。


妹と似ていると言われることが嬉しいのだろうか。



「もうすぐです。」



校舎の内部に入り3階まで進む。


その後に徹が示した視線の先には『会議室』と書かれた扉があった。



「すでにみなさんお待ちです。こちらの準備は出来ていますが、天城さんはどうですか?」


「問題ない。」


「了解です。」



簡潔に答える言葉に頷いた徹は、

迷うことなく会議室の扉を開いた。



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