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THE WORLD  作者: SEASONS
4月15日
673/1242

優勢

《サイド:天城総魔》



「行くぞ…!」



御堂に向かって駆け出す。



「きみを止めて見せる!!」



御堂も向かい来る。


その手に握られたルーンが輝きを増しているのが見えた。



「この一撃に全ての想いを込める!!ジ・ハード!!!!」



振り下ろされる刃の一閃。


試合場を叩き割る程の衝撃は『初期のアルテマ』級か?



かつてないほどの破壊力を持つ衝撃波が放たれた。



だがこれはまだ準備段階に過ぎないらしい。



「まだまだこれからっ!!ジ・ハード!!」



再び振られる刃の斬撃。



「これが僕に出来る最強の一撃だ!!!」



横薙ぎに振る刃から生まれる二重の衝撃波。



「秘術、セイント・クロス!!!!」



二つの衝撃波が十字を刻んだ。



おそらくこれは御堂が得意としていた最強の魔術。


『グランド・クロス』の進化系だろう。



以前とは比べものにならない程の破壊の一撃が俺を飲み込もうとしている。



「ち…っ!」



瞬間的にシールドを展開したが、

試合場が粉砕される程の破壊力だ。



シールドに込めた魔力を…御堂の一撃が上回ってしまう。



「…か…ぁっ…!」



破壊力に負けて弾き飛ばされてしまった。



耐えることも。


防ぐことも出来なかったからだ。



御堂の攻撃力は完全に俺の防御力を超えている。



…悔しいが、押し負けるか。



急いで体勢を立て直すが、

すでに御堂は休むことなく駆け出している。



「スーパーノヴァ!!!!」



新たな魔術だ。


初見のため詳細は分からないが、

ルーンから放たれたのは3メートルを越える強大な光の塊だった。



…だが。



その攻撃は俺への追撃ではなかったようだ。



傍に控えていた天使が光に飲み込まれてしまっている。



「さすがに2対1で勝てるとは思わないからね。先制攻撃で天使を排除させてもらうよ。」



御堂の宣言によって光の内部で次々と炸裂する光熱の嵐。



おそらくはジャッジメントの破壊力を外側ではなく内側に向けて放ち続けているのだろう。



光の魔術対光の天使。


その結果は御堂の光が消失すると同時に天使も消滅することで明らかとなった。



「よし!攻撃が通じた!!」



天使を撃破したことで自信を持ったようだな。


続く御堂の攻撃が立ち上がったばかりの俺にも向けられた。



「スーパーノヴァ!!!!」



再び放たれる光の塊。


即座にルーンを構え直して、

接近してくる光に対して聖剣を突き立ててから反撃を試みた。



「光に対するは暗黒の力!ダークフレア!!!!!」



構呪の働きによって聖剣から生まれる闇の炎。


沙織のグロウヴィルに近いが、

属性としては闇と炎の混合だ。


どちらかと言えば翔子の特性に近いだろうな。



強大な光に向けて闇の炎をぶつけることで迎撃する。



…互いに相殺しあう光と闇の結果も。



御堂の光が俺の魔術を上回ってしまったようだ。



消え去る炎。


その直後に攻め寄る光が俺の体を包み込む。



「…これも間に合わないか。」



炸裂し、爆発する光によって再び俺の体は宙を舞った。



そして試合場に落ちる俺に向けて、

御堂は更なる攻撃に出ようとしている。



「…必殺!!」



大技を放つつもりか?



何度も攻撃を受けた状態で追撃を受けるのはさすがに危険だ。


大剣を構える御堂の次の攻撃が迫る前に、

一旦距離をとるべきだろう。



「エクスプロージョン!!!!」



聖剣から放たれる魔力の波動によって、

試合場全域を紅の光が包み込む。



「吹き飛べ…!」



宣告した瞬間に紅の光が一斉に燃え上がり。


試合場を紅蓮の炎が埋め尽くしていった。



「く…っ!まだだっ!」



燃え上がる紅蓮の業火の中で、

攻撃を中断した御堂がルーンを振るう。



「ジ・ハード!!!」



放たれた衝撃波が炎の海を切り裂いた。


そしてそのまま一直線に炎を吹き飛ばしてしまう。



これで御堂の安全は確保され、

俺の攻撃は不発に終わってしまったことになる。



…すでに感じてはいることだが。



ここまでの結果で俺の攻撃が御堂に通じないことは明らかになってしまった。



まともにぶつかり合えば力負けして追い込まれるのは俺のほうだろう。



…とは言え。



先程の試合での負傷が影響しているのだろう。



御堂は肩を上下させながら、

必死に呼吸を整えている。



「はぁっ…!はぁっ…!」



試合場から炎が消え。


御堂が僅かに動きを止めたことで、

俺も立ち上がって体勢を整えることにした。



「どうやら現時点では御堂のほうが格は上のようだな。」



特性の格は御堂が上回っている。


その事実を認めたことで、

御堂は笑みを見えた。



「ああ、そうみたいだね。僅かな差かも知れないけれど…僕の能力がきみを上回っていることは確かなようだ。」



自信を持ってルーンを構える御堂が俺に狙いを定める。



「最後に僕の力を教えておくよ。覚醒した僕の特性は『破壊』。どんな魔術も僕の力の前では無力だ!」



…破壊か。


…なるほどな。



支配から暴力を経て、

辿り着いた特性は破壊。



その特性が示す能力は『無』だ。



御堂の前ではいかなる魔術も意味を成さない。


その存在の全てを否定されてしまうのだろう。



…それが事実なら。



俺の魔術が力負けするのも当然か。



自らの能力を明らかにした御堂を見て、

静かに笑みを浮かべてしまった。



「…何がおかしい!?」



…何が?



戸惑う様子の御堂だが。



その答えは一つしかないだろう?



「最後と言ったからだ。」



まるですでに結果が出たような言い方だったからな。


その発言はまだ早すぎると思っただけだ。



「僕はきみの力を上回った。だからこの試合は僕の勝ちだ!」



御堂は俺を超えたと自信を持って宣言している。



確かにそうかもしれないな。



今のままでは御堂の勝利は揺るがないだろう。



だが、俺は言ったはずだ。



「覚えていないのか?俺は『全力で戦う』と言ったはずだ。」



ルーンを構えて全力で攻め込もうとする御堂の姿を眺めながら、左手を突き出して見せる。



「もう…分かるな?」


「…くっ!」



俺の意図に気づいてくれたようだ。


僅かに戸惑う様子を見せた御堂に知らしめるために。


右手に持つルーンで二つの指輪を切り裂いてみせた。



左手を通過して指輪だけを切り落とす。



『…パキィン…。』と小さな音を立てながら二つに割れて落ちる指輪。


試合場に落ちた指輪の4つのカケラを見つめる御堂に。



改めて宣告する。



「念のために忠告しておく。全力で立ち向かえ。封印を解除した俺の力はこの世の全てを塗り変える。」



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