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THE WORLD  作者: SEASONS
4月15日
649/1242

第4回戦、第3試合

《サイド:美袋翔子》



「それではこれより、準決勝、第3試合を行いたいと思います!!ジェノス魔導学園から、美袋翔子みなぎしょうこ選手!ヴァルセム精霊学園から、大塚義明おおつかよしあき選手!試合場へお願いします!!!」



次はいよいよ私の出番ね。


相手は予想通り、大塚義明みたい。



私自身が成長する為に。


あえて望んだこの試合。



3試合目に義明が出てくると信じて、

自分の意思で3番目を選んだのよ。



…今でもまだ勝てる自信なんてないけれど。



それでもね。


義明に勝つことが私の成長にとって必要な戦いだと思っているの。



「それじゃあ、行ってくるわね~!」



みんなに別れを告げてから試合場に急ぐ私の背後で、みんなが応援してくれていたわ。



「が、頑張って下さい…!翔子先輩!」



精一杯の声で応援してくれるのは優奈ちゃんよ。



「気をつけてね、翔子。無理をしちゃダメよ?」



沙織は私を心配してくれるんだけど。



「死ぬ気で勝ってこい!!」



真哉は無茶を言ってくれてるわね。



「翔子なら勝てるよ!」



龍馬の声援も受けながら試合場に上がってみる。



…大丈夫。



私は負けないわ!!



みんなの期待に応えるために歩みを進める。


そうして開始位置についたところで、

反対側からやってきた義明が話し掛けてきたの。



「これは偶然か、それとも必然か?」



…さあ?



どうかしらね。


どうでもいい質問だと思うわ。



だけど無視するのもどうかと思うから、

答えてあげることにしたのよ。



「義明と戦う為に3試合目を選んだの。ただそれだけのことよ。」


「あえて俺との試合を望むのか…。お前らしくない選択だな。もっと利口な考え方をする女だと思っていたんだが…。」



…あ〜、うん。



まあ、確かにね。



今までの私なら勝ち目のない試合に挑むような無茶はしなかったわ。



…でも、ね?



「今の私はそういう無茶が好きなのよ。」



別にいいでしょ?



私はね。


誰かに守られる存在なんて趣味じゃないの。


そんなふうにね。


お姫様扱いしてほしいわけじゃないの。



私がね。


誰かを守れる存在で在りたいのよ!



「大切な人を守れるくらいに強くなりたいの。その為になら多少の無茶は必要でしょ?」


「…その気持ちは分からなくもないが、それは結果が出なくては意味がない話だ。お前の実力はすでに知っているつもりだが、それでもまだ俺には及ばないだろう。」



…うん。まあ、ね~?



仮にも龍馬に匹敵する魔術師なんだから、

ちょっとやそっと成長した程度の私が勝てるなんて思ってないわ。



だけどね。


だからこそ戦う意味があるのよ。



龍馬に匹敵する実力があるからこそ、

義明を倒すことで私の力が龍馬に届くことが証明できるの。



だから逆に言えばね?


義明に勝てないようなら、

龍馬にも勝てないってことなのよ。



それじゃあ意味がないの。



龍馬に勝てない程度なら、

永遠に総魔には追いつけないからよ。



「私の目標はもっともっと上にあるの。だから義明に負けるわけにはいかないのよ。」


「目標か…。何を目指しているのかは知らないが、魔術の腕を上げただけでは俺には勝てん。その現実を教えてやろう。」


「ええ、望むところよ!!」



全力で義明を叩き伏せてみせるわ。



…なんて。



強がってみたところで実力差は埋まらないんだけどね。



悔しいけどね。


正直な話を言うとね。


成長したと思う今の私でも、

義明に勝てる自信なんて全くないわ。



義明の実力は龍馬とほぼ互角のはず。


まあ、成長前の龍馬と比べて、だけどね。



学園の総合力で見ればあまり成績は良くないけれど。


義明の実力は確実に私以上のはずなのよ。



全学園で見ても義明は龍馬と並んで5本の指に数えられる実力者だしね。



全学園で何万人の生徒がいるのかは知らないけれど。


その頂点に立つ5人の一人なの。



全学園最強に君臨していた

『ジェノス魔導学園』御堂龍馬。


ただ一人龍馬と互角に戦える

『グランバニア魔導学園』澤木京一。


武術によって近接戦最強と呼ばれる

『デルベスタ多国籍学園』フェイ・ウォルカ。


全学園において最強の大賢者と囁かれる

『ランベリア多国籍学園』シェリル・カウアー。



…そして。



最強の精霊使い

『ヴァルセム精霊学園』大塚義明。



全学園、全生徒の頂点に立つ5人の生徒。



その一角に戦いを挑もうとしているのよ。



…それでもね。



「負けられないのよ!私はね!!」


「ふっ。そうか。」



気合い十分の私を眺める義明は笑ってた。


余裕の笑みってやつよ。



正直に言って気に入らないわ。



「絶対ぶっ飛ばす!!」


「ははっ!全力で来い。そして俺を乗り越えて見せろ。」


「もちろんよ!!」



思いっきり宣言してあげたわ。


だけど義明は敗北なんて有り得ないっていう雰囲気を発してるわね。



ちょっぴり…と言うか。


すっごく腹が立つけど。


私が格下なのは事実だから仕方がないわ。



…勝ち目があるかどうかなんて分からない。



そう考える時点ですでに無謀っぽいけどね。



だけどここで逃げたら、

私はもう絶対に総魔に追いつけないって思うの。



急激に成長していく総魔と優奈ちゃんはすでに私とは次元が違うわ。



だけどね?


だからこそなのよ!



沙織だって強くなってる。


真哉だって命がけで頑張ってる。


龍馬だってまだまだ成長するに決まってる!



…だったら!!



私だって足を止めてる場合じゃないのよ!



もっともっと強くなって!


総魔に追いついてみせる必要があるの!!



今更あとには引けないわ。


そもそも引くつもりもないけどね!



…こうなったらもう。



徹底的に進み続けるだけよ!!



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