表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
613/1242

大塚義明

《サイド:美袋翔子》



ん~。


気がつけば午後6時になってるわね。



もう夕食前だけど。


おやつを食べたせいであまりお腹は空いてないわ。



…はふぅ。



昨日から食べてばかりでちょっぴり体重が気になるかも?



なんて思いながら、

沙織と優奈ちゃんと一緒に喫茶店を出たところよ。



「意外と美味しかったわね~。」



笑顔一杯の私に、沙織が微笑んでくれてる。



「そうね。たまにはタルトもいいわね。」



満足気な様子だから沙織の味覚でも美味しかったみたい。



普段からケーキ関係は実家で食べ慣れてるだろうから特別美味しく思えるってことはないかもしれないけれど。



沙織のお家で食べるケーキと他のお店で食べるケーキはやっぱりちょっと違うから。


たまには他のお店のケーキも良いんじゃないかな?って私は思ってる。



…と言うか。



基本的にミルクレープ以外食べない私としては、

それ以外のケーキはどこで何を食べても新鮮に思えるんだけどね。



「優奈ちゃんはどうだった?」


「えっと、その…初めて食べましたけど…美味しかったです…。」



優奈ちゃんも満足そうね。


3階の生徒区画の中にある喫茶店で、

私達はフルーツタルトを3人で分け合って食べていたのよ。



普段から沙織の家で毎日のようにケーキを食べてるんだけど。



タルトは今まで食べたことがなかったから興味本位で頼んでみたの。



これが予想以上に美味しかったのは嬉しい誤算ね。



まあ、それでも『ミルクレープ最強説』には敵わないわよ!



一枚一枚、めくりながら食べるあの楽しさを越えるケーキは存在しないわ!!



そんなことを心の中で力説しながら部屋に帰る途中でね。


見覚えるのある人物と遭遇したのよ。



「翔子か。」



話しかけてきたのは大塚義明だったわ。


ヴァルセム精霊学園で1位の男子生徒なのよ。



「ん?あれ?義明じゃない。もう試合は終わったの?」


「ああ、当然だろう?」



自信たっぷりの笑顔を見せる義明だけど。


何が当然なのかは分からないわね。


基本的にヴァルセムのことはそんなに知らないし。


義明以外の生徒ってあんまり記憶にないのよ。



…それにまあ。



義明にしてもやたらと絡んでくるから名前を覚えたっていうだけで。


ほとんど何も知らなかったりするわ。



言っちゃえば、赤の他人ってやつ?


無関係以上、知り合い未満って感じ?



これってある意味、淳弥と同じ扱いよね。



でも、淳弥と違って義明は実力を隠したりしてないからそれなりに有名みたい。



魔術師としての実力はデルベスタのフェイと同格かな?



龍馬とも接戦できるくらいの実力があるのよ。



一対一の試合ならフェイが、

多対一なら義明が得意って感じね。



遠近、中距離の全てに対応できて、

広範囲に攻撃できる手段を持ってる義明は攻撃特化型の中でも殲滅力せんめつりょくがずば抜けて高いのよ。



一撃必倒のフェイとは真逆な感じね。


性格は自信家の龍馬って感じ?



実際にどうかは知らないけど。


自分の実力に自信を持ってるっていう雰囲気がはっきりと感じ取れるのよ。



でもまあ、成績上位の生徒は自信家が多い傾向が高いし。



龍馬みたいに控えめというか自虐的?な人のほうが珍しかったりするわ。



あとはまあ、総魔みたいに何も語らないっていう感じの人も少ないわね。



だから義明みたいな性格の人のほうが多いかも?



デルベスタのフェイだってそうよね?


礼儀正しい感じはあるけど、

自信家なのは間違いないわ。



…ん~。



まあ、何にしても私の趣味じゃないからどうでもいいんだけどね。



とりあえず義明も試合には勝ち進んでいるみたい。



「今回はまだ義明のところと当たらないわね~」


「ああ、そうだな。だがこのまま行けば準決勝で当たるはずだ」


「へ~。そうなんだ?」


「なんだ?トーナメント表を見てないのか?上位8組の順列で前半4組の先頭がジェノスで、最後尾がヴァルセムだ。次の3回戦が終わり次第、俺の学園と翔子の学園がぶつかることになる。」



ふ~ん。


そうだったんだ?



…って?


あれ?



義明の説明を聞いたことで、

今更だけど肝心な出来事に気付いてしまったわ。



それはつまり、トーナメント表を全く見てない!っていうことよ。



抽選の時にちらっと見ただけで、

どこがどういう順番なのか全然気にしてなかったわ。



「ねえねえ、次に私達が当たる学園ってどこか知ってる?」


「そんなことも知らなかったのか?お気楽加減は相変わらずだな。ジェノスの3回戦の相手はカリーナ女学園だ。」


「ぇ!?嘘っ!?ホントにっ!?」


「ああ、本当だ。嘘だと思うなら確認しに行けば良い。」


「別に疑うわけじゃないけど、でも、ちょっと驚いただけよ。」


「そうか。まあ、構わないが…。」



義明は急に私に接近してきて、

遠慮のかけらもなく私の手を掴みとったわ。



「せっかくだ。どこかに食事にでも行かないか?」


「はぁ?行かないわよ。」



義明の誘いを速攻で断ってから離れる。



「悪いけど、義明は私の趣味じゃないの。食事なら他の女性を捜せば~?」


「翔子以外の女に興味はない。」



今、全力で断言したわね。


それこそ速攻って感じだったわ。



う~ん。


気持ちは嬉しいんだけどね~。



義明と付き合うつもりは米粒ほどもないわ。


淳弥もそうだけど。


見た目はまあ…合格かな?



身長も高いし、結構格好いいと思うわよ。



魔術師としての実力も確かだし、

学園1位っていう成績も魅力的だと思うわ。



性格はよくわからないけど。


私に対してはっきり好きって言葉にできるのは良いと思う。



…でもね~。



何かが足りないのよね~?



龍馬もそうだけど。


完璧すぎて物足りないっていうか。


私から何かをしてあげたいって思えないのよ。



その点、総魔はあれよ。



ちゃんと私の話を聞いてくれるし。


言葉よりも行動って感じで接してくれるでしょ?



口先だけじゃない思いやりみたいな優しさがひしひしと感じられるのよね〜。



だからこそ私も何かをしてあげたいって思えるし、

総魔の力になりたいって思えるの。



だ、か、ら!!



私の心は総魔だけなのよ!!



他の男なんて眼中にないの。



そう思ってるから義明に手を振って、

ささっと離れることにしたわ。



「悪いけど、他を捜してね~♪」



あっさりと義明をふって離れる私が歩き出したから?


沙織と優奈ちゃんは気まずそうな雰囲気で義明を避けながら私を追い掛けてきたわ。



なんだかごめんねって思っちゃったんだけど。


そもそも私は何も悪くないわよね?


変な雰囲気なっちゃったのは私のせいじゃないわよね?



…まあ、悠理ちゃんと比較したらまだマシな方かも?



武藤君と比べれば全っ然、実害がないわ。


その点だけは安心なんだけど。



でもね?


それでもね。


そそくさと離れる私達の背後から。



「俺は諦めないぞ!」



義明が大声で宣言していたのよ。



…う~ん。



告白してもらえるのは嬉しいんだけどね〜。



無理に追いかけてこないだけ配慮って言う言葉は理解してると思うんだけどね〜。



悪いやつじゃないんだけどね〜。



興味を惹かれるほどでもなかったわ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ