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THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
602/1242

良い意味で

《サイド:御堂龍馬》



試合が終わった。


そして彼が戻ってきた。



多少制服が破れてはいるようだけど。


フェイによって受けた傷はすでにどこにも見当たらないね。



回復魔術を使用して自分自身の治療を終えた彼は特に言葉を発する様子もないまま静かにジェノスの陣営に帰ってきたんだ。



…うーん。



この状況で、どう話し掛けるべきだろうか?



聞きたいことが多すぎて何から聞けば良いのかが分からない。



僕も。


沙織も。


翔子も。



そして真哉でさえも声を掛けづらい雰囲気だったからだ。



そんな重苦しい空気の中でも、

深海さんだけは嬉しそうな表情で彼に歩み寄って行った。



「おめでとうございます。総魔さん。」



純粋な祝福だね。


彼の試合内容は気にしてないのかな?


あるいは深海さんだけはすでに知っていたのかな?



よく分からないけれど。


笑顔を浮かべながら彼に話し掛ける深海さんに対して、

彼は一度だけ頷いただけで特に感情を見せなかった。



彼としては試合に勝ったことよりも他に思うことがあるらしい。



「予想していたよりもフェイの実力は高かったな。だが、それでもまだ御堂ほどではなかった。」



…うぅーん。



これはどう答えればいいのかな?



喜ぶべきなのかな?


それとも驚くべきなのかな?



それすら分からない。



だけど彼の言葉は僕の心に深く突き刺さっていたように思う。



…と言っても。



辛いとか苦しいとか、

そういうことじゃないよ。



僕に対する彼の期待。


その重みが感じられたことが嬉しく思えたんだ。



彼の中での僕の評価が高ければ高いほど、

僕はその期待に応えようと頑張ることが出来るからね。



この大会での『最後の試合』に向けて更なる成長を目指そうと思えるんだ。



「良い意味で、きみの期待を裏切れるように頑張るよ。」


「ああ、楽しみに待っている。」



優勝後の最後の試合に向けて、

僕と彼は改めて想いを語り合った。



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