第2回戦、延長戦
《サイド:天城総魔》
ジェリルを制したあとで、
試合場で待ち続ける俺にフェイが歩み寄ってきた。
「どうやら1位が入れ替わったという話は事実のようだな。」
俺の実力を垣間見たことで信じる気になったようだが、
今はそんな些細なことはどうでもいい。
数字よりも知りたいことがあるからだ。
「お前の実力が知りたい。俺を越える可能性があるかどうかを…だ。」
「ふっ。大した自信だな。だが、俺を甘く見ないほうがいい。」
仲間があっさりと敗北した事実を気にせずに、
フェイは臆することなく睨みつけてくる。
「その自信を打ち砕いてやろう。」
低く響く声は威圧感に満ちている。
…良い気迫だ。
俺としてはそのくらいのほうが心地よく感じられるからな。
対戦相手として申し分ない。
「覇気は御堂以上だな。」
威圧感だけなら御堂を超えるだろうと素直に評価したのだが。
フェイは一度だけ深呼吸をしただけで、
気持ちを緩めることなく、
槍を具現化してから構えをとってみせた。
「その余裕の態度を叩き伏せる。」
頼もしささえ感じる発言だ。
…実際に出来れば、だがな。
まずは言葉で語るよりも力で示すべきだろう。
「期待しよう。」
フェイと向き合った状態で俺も新たに聖剣を構え直す。
ジェリルの時とは状況が異なるからな。
戦う意志を見せるフェイに手加減など出来るはずがない。
「見せてもらおうか。デルベスタの力を。」
「…その身で知るがいい!」
至近距離で見つめ合う俺とフェイの後方で、
係員が慌てて進行を開始する。
「え~っと、何だかやる気のようですので試合を始めましょう!第2回戦、延長戦1試合!フェイ・ウォルカ選手対天城総魔選手!!!」
今にも試合が始まりそうな雰囲気に戸惑う係員だったが、
試合が宣言されたことで審判が歩みを進めてきた。
「それでは…!」
右手を掲げる審判の手が振り下ろされる。
「試合、始めっ!!!」
試合開始を宣言した審判は即座に後方へと逃げ出した。
おそらく俺とフェイの距離が近いことで、
戦いに巻き込まれるのを恐れたのだろう。
すでにそれぞれにルーンを握り締めて相手に向けている状況だ。
俺の手には『剣』
フェイの手には『槍』
互いの切っ先が相手に狙いを定めた瞬間に。
俺とフェイは全く同時に踏み込んでいた。




