全属性と純属性
《サイド:天城総魔》
「それでは準備はよろしいでしょうか?」
「はい。」
「ええ。」
問い掛ける審判に対して、
沙織とマリアは同時に頷いていた。
「それでは、試合を始めます。」
掲げられた右手を振り下ろした瞬間から沙織の試合が始まる。
「試合、開始っ!!」
勢いよく振り下ろされる右手。
開始の合図と共に沙織とマリアのルーンが発動した。
光と共に現れるルーンはどちらも杖だ。
沙織の手には星を冠する『マテリアル』が現れ、
マリアの手にも光り輝く『杖』が出現している。
「貴女のルーンはマテリアルだったわね?」
「ええ、そうよ。」
「私のルーンはバゼラードよ。覚えてる?」
「ええ、覚えているわ。もちろんあなたの特性もね。」
沙織が答えたことで、
マリアは微かに笑みを浮かべていた。
「だったら確かめましょう。あなたの全属性と私の純属性のどちらが上なのかを…ね。」
全属性と純属性か。
『純属性』という能力の詳細はまだ分からないが名前から予想出来ることはある。
おそらくだがあらゆる魔術を自在に操る沙織とは異なり、
マリアの特性は単一の魔術を自在に操れるという意味だろう。
沙織とマリア。
互いに杖を構える二人の姿からは、
物理的な試合は想像出来ない。
おそらく二人とも遠距離からの魔術の撃ち合いになるはずだ。
純粋な魔術の試合とも言えるだろう。
大賢者による戦いとして、
まず先手をとったのはマリアだった。




