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THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
571/1294

予想通りの反応

そうして1回戦が終わってから少しだけ時間が過ぎた頃。



すでに各地の試合場で後半組の試合が行われている最中なんだけど。


彼を捜しに行った翔子と優奈さんが彼と共に戻ってきたんだ。



「ただいま~!」



元気一杯の笑顔を見せているのは翔子だ。


だけど翔子の後ろを歩く深海さんの表情はどことなく落ち込んでいるように見える。



まるで光と影のような正反対の表情に思えたんだ。



…何かあったんだろうか?



彼に視線を向けてみても、

彼の表情からは何も読み取れない。



いつもと変わらない雰囲気の彼からは、

どんな問い掛けにも答えが返って来る気がしなかった。



…こうなると、今はそっとしておくべきかな?



何があったのかはあえて気にしない方針にしようと判断してから、

まずは翔子に話し掛けてみることにした。



「お帰り、翔子。遅かったね。」


「これがなかなか見つからなくてね~。結構捜し回ったのよ。」



笑顔で答えた翔子はいつも通りの雰囲気だ。



…だとすると。



翔子も深海さんに何があったのか知らないのかな?



「ただいま〜、沙織。」



笑顔で沙織に歩み寄っていく翔子が事情を知っているようには見えない。


もしも何かあったなら沙織にも相談するだろうし。


何も言わないということは何も知らないということなのかもしれない。



「試合はもう終わってるみたいだけど。結局、沙織は試合に出られたの?」


「いいえ、私は出てないわ。龍馬が試合に勝って、そこで終わったから。」


「な~んだ。やっぱりそうなのね~。」



誇らしく胸を張りながら僕に振り返った翔子は満面の笑みだった。



「私の予想通りだったじゃない♪」



確かにね。


翔子の予想通りだったと思うよ。



結果的にはそうだったかもしれない。



…だけどね。



決して楽な試合だったわけじゃない、とも思うんだ。



結果だけを見れば圧勝でもね。



僕は僕の力を知ることに精一杯で、

まともな試合内容だったとは思ってないんだ。



…ことごとく足止めを受けていたしね。



まだまだ足りないんだ。


彼に追いつく為にはまだまだ足りていない。



そんなふうに思いながら、

次に彼に振り返ってみた。



「それで…用事はもう済んだのかい?」


「ああ、ひとまず目的は果たした。次の試合からは俺も参加するつもりだ。」



どこで何をしていたのかは知らないけれど。


参加の意思は示してくれたんだ。



…だったら、良いのかな?



深海さんはまだ落ち込んでいる様子だけど。


翔子も彼も気にしていないのなら、

無理に僕が気に掛ける必要はないだろうし。


とりあえずは様子見が一番だろうね。



「それじゃあ、次はお願いするよ。」


「ああ」


「うん。よろしく。」



彼の返事を聞いてから、

時計に視線を向けてみる。



時刻は11時20分になったばかりだね。



まだ少し早いけれど。


このままここにいても仕方がないし。


そろそろ昼食の時間になる。



一旦控え室に移動しておいたほうがゆっくり出来るかもしれない。



「もうすぐ昼食の時間だから、控室に向かおうか?」



みんなに問い掛けてみると、

真っ先に真哉が反応してくれた。



「よっしゃ~!!メシなら行くぜ!」



…ははっ



予想通りの反応だね。


真哉の食欲は朝食を食べたこと自体を忘れているかのような感じだ。



もしかすると。


すでに空腹感で一杯なのかもしれないね。



「たまには食べないほうが良いんじゃない?」



翔子は食べ過ぎを指摘しているけれど。


真哉は気にせずに控室に向かって歩きだしている。



「たまに、どころか最近はまともに飯を食う機会の方が少なかったからな。食えるときに食っとかないともったいねえだろ?だから早く行こうぜ!」



…ああ、そうか。



そう言われてしまうと否定できないね。



彼との試合後もそうだし。


僕や翔子との試合によって何度も戦闘不能状態に陥っていた真哉は確かに食事の機会が少なかったかもしれない。



…ここ数日間を振り返ってみると。



起きて行動している時間よりも、

医務室で眠っていた時間の方が長かったかもしれないね。



そのせいで普段以上に食欲が暴走しているのだとすれば、

それはもう仕方がないことだと僕も思う。



…だから、と言うほどでもないけれど。



今は真哉を止めることはできないかな。



「とりあえず行こうか。」



率先して先頭を進む真哉を追って、

僕達も控室へと移動することにしたんだ。



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