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THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
560/1294

ならない自信がない

《サイド:深海優奈》



…す、すごいですっ!



二試合目は翔子先輩の圧勝で終わりました。



「ただいま~♪」


「翔子先輩!おめでとうございます…!」



笑顔で帰ってきた翔子先輩を笑顔で出迎えます。


そして翔子先輩の勝利を祝福しました。



「やっぱり…翔子先輩は素敵です…っ!」


「あ、あははは…っ。ありがとう、優奈ちゃん。でもね〜?正直に言って特に頑張ったわけでもないんだけどね~。」



確かにそうかもしれません。



とっておきのアルテマは使ってませんし。


メテオストライクの出番もありませんでした。



圧勝だったことで苦笑する翔子先輩に、

沙織先輩も声をかけていました。



「お疲れ様、翔子。」


「ありがと、沙織。予想外にあっという間に終わっちゃったけど。とりあえずはこれで2勝よね。この流れだと次の試合で龍馬が勝って1回戦は終わりじゃない?」



勝利を確信した翔子先輩が御堂先輩に振り向きます。



「初戦は3連勝で終わりっぽいわね~。」


「さあ?どうだろうね。終わってみないことには分からないよ。」


「何を言ってるのよ。龍馬なら勝てるに決まってるじゃない。だってあの真哉でさえ勝てたのよ?」


「はあっ!?ちょっと待て、翔子!!」



翔子先輩が名前を出した直後に、

北条先輩が反論し始めました。



「今の言葉には激しくトゲがあるように感じたぞ!?」


「え?そう?だって、そういうふうに言ってるもの。」



堂々と公言する翔子先輩は格好良いです。


ですが北条先輩の扱いは可哀想です。



「くそっ!1回勝ったくらいで、調子にのるんじゃねえぞ!!」



相当気に入らなかったようですね。


北条先輩が翔子先輩に『びしっ!』と、指差しました。



「あとで俺と勝負しろっ!!絶対に俺が勝つ!!」


「いいわよ~。いつでも受けて立つわよ。真哉なんてどうせ…」



翔子先輩は更に言い返そうとしていたのですが、その発言を遮って…。



「まあまあ…。」


「翔子も、もういいでしょ?」



北条先輩には御堂先輩が、

翔子先輩には沙織先輩がそれぞれ仲裁に入りました。



「一旦、落ち着こうか。」



北条先輩をなだめる御堂先輩は苦笑気味です。


ですが沙織先輩は翔子先輩に優しく諭すように話しかけていました。



「いつも言いすぎよ、翔子。」


「…あぅ。ごめんね…。」



沙織先輩に対しては素直に謝っていました。


ただ、北条先輩に謝る気はないようです。



仲が悪いのでしょうか?



北条先輩と翔子先輩の二人が度々言い合いになるのを見かけますけれど。


だからといって険悪な雰囲気になることはなかったと思います。



どちらかといえば。


喧嘩するほど仲が良い?そんな感じでしょうか。



「まあ、真哉のことはどうでもいいんだけどね。」



どうあっても北条先輩に優しくするつもりはないようです。


翔子先輩は北条先輩を無視したまま、

私に振り返って話し掛けてきました。



「総魔ったら全然帰ってこないわね〜。どこまで行ったのかしら?」



…あ~、はい…。



確かに遅いですね。



理事長さんと出かけてからそれなりに時間が過ぎましたが、

総魔さんが帰ってくる様子はまだありません。



「何か大切な用事でもあるんでしょうか?」


「さあ?わかんないけど。もうすぐ試合も終わりそうだし…どう?優奈ちゃんも一緒に捜しに行かない?」


「…わ、私もですか?」


「うん。まあ、私一人で行っても良いんだけど…。このままここにいても優奈ちゃんの出番はなさそうだし、二人で探した方が早いかな〜って思うんだけど…。でもまあ、無理なら良いんだけどね。」


「あ…い、いえ…。私で良ければ行きますけど…良いんでしょうか?」



御堂先輩と沙織先輩にも尋ねてみたのですが、

反対する人はいませんでした。


むしろ御堂先輩は笑顔で賛同してくれています。



「しばらく探しても見つからないようなら諦めて戻って来てくれればいいよ。まあ、翔子の予想通り進めば深海さんの出番はないだろうし、仮に僕が負けてもまだ沙織がいるからね。心配しなくても大丈夫だと思うよ。」


「…ぁ、はい。分かりました。」



御堂先輩の許可もいただきましたので、

翔子先輩と二人で別行動することになりました。



「じゃあ、行こっか?」


「はい♪」



翔子先輩に返事をしてから、

翔子先輩と一緒に先輩達に挨拶をしました。



「行ってきます。」


「行って来るわね~。」



挨拶をしてから歩きだそうとする私達を、

先輩達は笑顔で見送ってくれていました。



「気をつけてね。」



沙織先輩は優しく微笑んでくれています。



…ですが。



「迷子にならないように気をつけるんだよ。」



御堂先輩の言葉によって不安を感じてしまいました。



…はうぅ~。



迷子にならない自信がないからです。



もしも翔子先輩とはぐれたら、

確実に迷子になる気がします。



「…が、頑張ります…っ。」



はぐれないように翔子先輩としっかり手を繋ぎました。


そうして離れていく途中で、

北条先輩も声をかけてくれました。



「ちゃんと守ってやれよ、翔子」



仲が良いのか悪いのかよく分からない二人ですけれど。


北条先輩の言葉を聞いた翔子先輩は笑顔を返していました。



「わざわざ言われなくても分かってるわよ。それじゃあ、行ってくるわね~。」



笑顔で手を振る翔子先輩が先輩達に挨拶をしたあとで、

そのまま試合場を離れることになりました。



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