第1回戦、第1試合
《サイド:御堂龍馬》
両学園の対戦順が決まったことで、
いよいよ第一回戦が始まった。
「それではただ今より、第1回戦第1試合を行いたいと思います!!」
ついにエスティア魔術学園との試合が始まるんだ。
試合場の中心に立つ係員が試合開始を宣言したことで、
観客の盛り上がりも急上昇していく。
個人的には見慣れた光景だけど。
相変わらず魔術大会はすごい人の数だね。
3万人を超える観客。
そして数千に及ぶ警備と関係者。
その多くの観客の注目が集まる中で、
真哉は堂々と準備運動を行っている。
…あまり良い流れではないけどね。
率先して試合場上がるのは対戦順を公開するようなものだ。
試合前から真哉が試合場に上がってしまったことで、
向こうは有利な選手を選べるからね。
本来ならこういう状況は回避するべきなんだけど。
真哉を下げるのは難しそうだからね。
ひとまず今は真哉の勝利を信じるしかない。
…と、思ったんだけど。
やっぱりそう上手くはいかないものだね。
試合場に上がり、
真哉に歩み寄る最初の対戦相手は笹倉美和子さんだったからだ。
半年ほど前からエスティア魔術学園で2位に君臨する彼女こそが、
前大会で真哉に勝った実力者でもある。
おそらく出場登録を行う前から試合場に立った真哉を見て、
確実に勝つ為に1試合目に出て来たんじゃないかな?
真哉にとっては警戒すべき相手だ。
前回と同じ敗北を繰り返さない為にも、
ここはぜひとも倒しておきたい相手だと思う。
「またお前か?もしかして俺に惚れたのか?」
ふざけたように笑う真哉だけど。
笹倉さんは嘲るような表情で微笑んでいる。
あれはたぶん、真哉を格下に見てる感じだね。
「どこからそんな自信が出てくるのか知らないけど。そういう言葉は私に勝ってから言うことね。」
自信満々の態度の笹倉さんは、
真哉を相手にしても『負けるつもりはない』という感じで余裕の表情を見せている。
そんな余裕の態度の笹倉さんと向かい合いながらも、
真哉は一歩も引かずに楽しそうに笑ってた。
「ははっ。今回は手加減しねえぜ。」
勝利を狙う真哉だけど。
笹倉さんも一歩も退かないようだ。
「今回も私が勝たせて貰うわ。」
互いに見つめ合う二人の自信は揺るがないようだね。
どちらも自分の勝利を信じてる。
そんな雰囲気だった。
「それでは試合を開始いたします。準備はよろしいでしょうか?」
試合場に審判員が歩み出たことで、
審判員の問い掛けに無言で応じる二人。
『今大会』最初の試合が始まろうとしていた。




