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THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
552/1294

1回戦の試合順

《サイド:御堂龍馬》



…どこに行くんだろうか?



試合に参加しないことを宣言したあとで、

彼はどこかに行こうとしている。



どうやら試合に参加しないどころか、

そもそも観戦すらしてくれるつもりがないようだ。



これからどこで何をするつもりなのかは知らないけれど。


彼が歩き出してしまったことで、

理事長も困っている様子だった。



「…ふう。話って何なのかしらね?天城君が何をしたいのかよく分からないけれど、とりあえず試合は御堂君に任せるわ。」


「はい!分かりました。」


「うん。よろしくね。」



僕の返事を確認したあとで、

理事長は彼を追ってどこかに行ってしまった。



彼が試合を放棄してまでどこに行ったのかは少し気になるけれど。


今は二人を追いかけてる場合じゃない。



これから行う一回戦の試合順を決めるのが先決だからね。



あまりのんびりとはしていられないんだ。


だから彼と理事長が立ち去るのを見送ったあとで、

みんなに振り返ってから相談することにした。



「さて、と。とりあえず彼が補欠になってしまったから、僕達だけで試合をしなければいけないんだけど。試合の順番はどうしようか?」


「とりあえず真哉が最初でしょ?」



試合順をどうするか問い掛けてみたことで、

試合場に行ってしまった真哉に視線を向ける翔子が答えてくれた。



「ダメって言っても帰ってきそうにない

わよね?」


「ふふっ。そうでしょうね。」


「…ですよね。」



翔子の言葉を聞いた沙織と深海さんが苦笑している。



真哉が言う事を聞かないのは今に始まったことじゃないからね。


何を言っても無駄だと思うのは僕も同意見だった。



だからまずは真哉に初戦を任せるしかないと思ってる。



「まあ、そうだね。1試合目は真哉に任せよう。」



まずは参加者名簿の1人目に真哉の名前を書き記すことにした。



これで残りは4人だ。


参加出来るのは5人だから、

あと4人の試合順を決めなくてはいけない。



「だったら次は私が出るわ!ルーンの性能も試してみたいしね~。」


「ああ、分かったよ。2試合目は翔子に任せるよ。」


「任せて!きっちり勝ってみせるわ。」


「よろしくね。」



参加者名簿の2人目に翔子の名前を書き記した。



…さて、と。



残りは3人だけど、どうしようかな?



選べるのは僕か沙織か深海さんだ。



真哉と翔子の試合の流れがどうなるかは分からないけれど。


前大会のように苦戦してしまうのはまずいと思う。



万が一にも真哉と翔子が敗北するようなことがあれば、

3試合目は2回戦進出を賭ける重要な試合になるからね。



優奈さんの実力は確かだけれど。


まだまだ未知数な部分がある。



それになにより。


欠点を克服出来たかどうかが分からない。



確実に勝つことを考えるなら、

僕か沙織が出た方がいいだろうね。



「沙織はどうする?」


「そうね~。」



沙織の意見を確認してみたんだけど。


沙織は笑顔のままで僕を指名してくれた。



「次は龍馬で良いと思うわよ。少しでも多くの試合をしておいたほうがいいでしょ?」



ああ、そうだね。


確かにそうかもしれない。



学園ではなかなか全力で戦えないけれど。


ここでなら全力で戦うことができるからね。



少しでも多くの試合を経験して。


少しずつでも確かな成長を願ってる。



彼に追いつくために。


僕自身の実力の底上げをしておきたいと思うんだ。



「それじゃあ、3番目は僕が出るよ。」



確実に出番が回ってくる3人目に自分の名前を書き記した。



「あと二人だけど、4人目には…。」


「私が出るわ。」



僕が問い掛けるよりも先に沙織が名乗り出てくれた。



「優奈ちゃんは少しでも遅い方がいいでしょ?」



緊張している深海さんの出番を遅らせることで、

試合に参加しなくても済むようにと考えたようだね。



「上手くいけば優奈ちゃんに試合が回ってくる前に終わるでしょうから、今回は見学のつもりでゆっくり見てくれればいいわ。」


「…あ、はい…。ありがとうございます…。でも…良いんですか?」


「ふふっ。大丈夫よ。それにね。最後なら負けても後悔しなくて済むでしょ?」



…確かにそうだ。



仮に1回戦敗退が確定しても、

それは深海さんのせいじゃない。



もしも敗退になったとしても、

それはそこまで敗北を続けた僕達の責任だからだ。



「例え負けたとしても、優奈ちゃんが気にする必要はないわ。」



ああ、そうだね。


確かにそれは言えると思う。



初戦敗退という結果になってしまったとしたら、

それは勝利を掴み取れなかった全員の責任なんだ。



だから深海さん一人が責任を感じる必要はないし、

試合の結果に関して悲しい思いを残す必要もないだろうね。



「僕もそれでいいと思うよ。」


「私もいいと思うわよ~。まあ、そもそも負けるつもりはないけどね。」



僕と翔子の後押しも受けたことで、

深海さんは静かに頷いていた。



「…分かりました。順番が来るかどうかはわかりませんけれど、精一杯頑張ってみます」



最終戦を受け入れてくれた深海さんだけど。


その表情は明らかに緊張で一杯に見えるね。



始めて参加する大会だから当然かな?


誰だって緊張でガチガチになるのは仕方がないと思う。



そんなふうに考えながらも、

僕は名簿の4人目に沙織の名前を書いてから5人目に深海さんの名前を書き記したんだ。



これで参加者と試合の順番が決まったことになる。



5人全員が試合を出来るかどうかは分からないけれど。


少なくとも深海さんに出番が回って来ることはないと思う。



もしも深海さんの出番が来るとしたら、

それは僕達の中で誰かと誰かが試合に負けて2敗した時だけだ。



そもそも3回負ければそこで終わるからね。


だけど3勝した時点で試合が終わることになるから、

全員が勝ち続ければ僕の時点で終わる可能性もある。



そうなれば沙織と優奈さんの出番はないだろうね。



仮にどこかで誰かが敗北したとしても、

沙織さえ勝てれば勝ち抜けが決定するから深海さんまで回ってくる可能性は低いはず。



そんなふうに色々な可能性を考えながら係員に名簿を手渡した。



そして。



試合が始まるまで待つことにしたんだ。



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