何日か前に
《サイド:美袋翔子》
………?
…え?
…どういうこと?
これは、予想していない展開だったわ。
総魔とのんびりお話でもしようと思っていたのに。
…思ってたのに!
肝心の総魔が優奈ちゃんと『二人』で出かけてしまったのよ!
どうしてなの!?
どうしてまた私を置いていっちゃうの!?
…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
総魔ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…。
どこに行っちゃったの…?
個人的には追い掛けたい気持ちがあるんだけど。
…だけどね。
吸収の実験に私が関われる余地なんてないわよね?
ついて行っても邪魔者扱いされるだけだと思うの。
何日か前に『必要ない』って言われたことを思い出してしまったせいで、
追い掛けることが出来なかったのよ。
…はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
せっかくこうして一緒にいられる機会が出来たのに。
現実はなかなか思うように進んでくれないのよ。
…あうぅぅぅ。
総魔ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
追い掛けて話をしたいけれど。
邪魔だとは思われたくないの。
そんな二つの気持ちが混ざり合ったことで、
激しくため息を吐いてしまったわ。
はぅあぁ…。
落ち込む心。
隣にいる沙織に気付かれないように、
平静な雰囲気を保とうと意識はしてるんだけど。
何故か沙織は面白そうに私を見て微笑んでいるのよね。
…う~ん。
なんとなく思うんだけど。
やっぱり沙織には気付かれてる気がするわ。
だけどね。
恥ずかしいから確認する勇気なんて私にはないの。
はぅぅぅぅ…。
こうなったらもう、
どうしようもないよね?
沙織と出口に交互に視線を向けてから、
色々なことを諦めることにしたのよ。
今から追い掛けようにも、
どこへ向かったのかなんて分からないしね。
追い掛けることを諦めて、
沙織に尋ねることも諦めたわ。
もうすでに気付かれてる気はするけどね。
だけどもしもそれが勘違いだったら、
自分から暴露することになってしまうから。
考えるだけで恥ずかしさ満載だったのよ。
…とりあえず、もうね。
こうなってしまった以上は仕方がないって思うの。
だから今はもうあまり考えないようにして、
大人しく総魔が帰ってくるのを待つことにしたわ。




