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THE WORLD  作者: SEASONS
4月13日
529/1342

理事長=共和国代表

《サイド:御堂龍馬》



馬車が去ってから10分くらいが過ぎたかな?



「お待たせ~!」



馬車を置きに行った理事長が戻ってきたことで、

僕達は会場内に移動することになったんだ。



「はぐれないように、ちゃんと着いてきてね~。」



先導してくれる理事長のあとを追って僕達も歩きだす。



グランパレスの門をくぐって、

まずは受付に向かうところなんだけど。


初めて訪れた深海さんは会場の大きさに驚いている様子だった。



「…凄いです!とっっても大きいですね…。」



…ははっ。



そうだね。


僕もそう思うよ。



あまりにも大きすぎて外観だけでは分かりにくいかもしれないけれど。



中に入ればどれだけ広いのかは一目で分かる。



入口から正面の受付に向かうだけでも、

ざっと200メートルはあるからね。



左右に広がる通路の先はどう頑張っても見通すことなんて出来ないし、

それぞれの通路がどこに繋がっているのかなんて僕だってまだ把握しきれていないんだ。



…と、言っても。



グランパレスは本来軍事施設だから、

把握できないのが当然なんだけどね。



学園の検定会場とは全く異なっていて、

普段は陸軍が使用する宿泊施設や訓練所まで用意されているおかげで一周するだけでも相当な時間がかかってしまう広さがある。



大会中はそれらが一般開放されて、

ある程度までは各施設が自由に行き来できるようになっているんだけどね。



さすがに軍の管理区域までは入れないけれど。


それ以外は自由に見て回れるようになっているんだ。



魔術大会の会場も本来は陸軍の演習場として使われている場所だしね。



だからこそ学園の検定試験会場よりも強力な防御結界が整備されているし、

僕と彼が試合をしたとしても周囲に被害が出ないと判断されているんだと思う。



数万の陸軍が集結できるほど広大な面積を誇る大規模な施設だから。


何度も来ている僕達でさえ、

あまりの広さに慣れることが出来ないほどだった。



そんな広大な通路を、

理事長は受付に向かって進んでいく。



その姿はまさしく威風堂々という感じだね。



周囲の視線を気にしないという意味では彼と真哉も同じだけど。


ただそこにいるだけで人の目を惹きつけてしまう才覚は理事長だからこそじゃないかな。



僕達から見れば学園の理事長なんだけど。


周りの人達からすれば印象が違うだろうからね。



理事長を見た瞬間にみんな慌てて頭を下げている。



これはまあ、当然の反応だと思う。



僕だってジェノスの生徒じゃなかったら理事長を見た瞬間に萎縮していたと思うんだ。



ジェノスの生徒である僕達にとって理事長は理事長なんだけど。


他の人達から見る理事長は理事長じゃないんだ。



『ファンテリナ魔導共和国の代表者、米倉美由紀』



そういうふうに認識しているはずだからね。



この国で理事長の名前を知らない人なんていないと思う。


理事長はこの国の頂点に立つ代表者でもあるから。



だからこそ。



ただそこにいるというだけで目立ってしまうんだ。



普段は僕でさえあまり気にしないけれど。


この会場へ来る度に何度もその事実を実感してしまう。



やっぱり理事長は共和国の代表なんだってことを、ね。



「ジェノス魔導学園よ。手続きをお願いできるかしら?」


「…あっ!は、はい…っ!!」



理事長に話しかけられたことで、

受付の女性が慌てふためいている。



普通ならそこまでうろたえることはないと思うけれど。


相手はこの国の代表だからね。



ちょっとした混乱に陥ってしまっていた。



そんな受付を眺める理事長は苦笑いを浮かべながらため息を吐いている。



たぶん。



そんなに気を使わなくてもいいのに、って思ってるのかもしれないね。



直接、言葉にしたほうがいいのかもしれないけれど。


どう声をかけても上手くはいかないと思う。



何かあった時に困るのは受付の人達だろうし。


ここは下手に声をかけずに黙って見てる方が無難かもしれない。



きっと理事長もそう思ってるんじゃないかな?



しばらく様子を見ていた理事長は、

苦笑いを浮かべたまま周囲の様子を見渡してから今回が初参加になる深海さんに話しかけていた。



「ごめんね。もうちょっと待ってくれる?」



状況を飲み込めない深海さんに気を使ったのかな?


たぶん、深海さんはこの状況が理解できていないだろうからね。



理事長が声をかけたことで、

沙織が深海さんに歩み寄ってこっそり耳元で囁いていた。



「本来なら大会には『理事長』じゃなくて『学園長』が来るのよ。だけど共和国の代表という立場上、理事長も大会に参加しないといけないの。でもね?理事長と学園長が二人とも学園を離れるわけには行かないから、私達の学園だけは理事長が直接参加してるのよ。」


「…あ~。そうなんですね。」



沙織の説明に納得した深海さんは小さく何度も頷いている。



そんなふうに説明してる間に、

手続きは終わったようだね。



再び理事長が歩き出した。



「はいはい。移動するわよ~!」



再び先導してくれる理事長のあとを追って、

僕達も移動することになったんだ。



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