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THE WORLD  作者: SEASONS
4月13日
525/1366

保存食

《サイド:深海優奈》



学園を出発してから何時間が過ぎたでしょうか?



はっきりとした時刻は分かりませんけれど。


太陽が真上に差し掛かる頃になってから、

理事長さんはゆっくりと馬車を停止させました。



「お昼も過ぎた頃だし、そろそろご飯にしましょうか?」



馬車を停めた理事長さんは、

後方に積んである荷物の中から沢山の食料を取り出して室内の中央に並べてくれました。



テーブルも何もない状況で、

食材ごとに箱ごと置かれた状態です。



ここから自由に取っていいということでしょうか?


特に分配されるということはありませんでした。



「味はともかく、お腹一杯にはなるわよ~」



…ですよね。



量は凄いと思います。



3日分くらいあるのではないでしょうか?



…ですが。



用意していただいた食料は、

どれも保存食に分類されるような物ですね。


味は期待できそうにありません。



「…また同じなの〜?」



不満を呟く翔子先輩ですが、

それでも手を伸ばしてパンとジャムを手に取っていました。



「毎回毎回、いつも同じだと飽きるわね~。」



愚痴る翔子先輩ですけれど。


沙織先輩や御堂先輩でさえ苦笑しているような気がします。


もしかしたら、

みなさん同じ意見なのかもしれません。



「月に一度のことだから、私は良いと思うわよ。」


「そうだね。これも行事の一つだと思うしかないかな。」



発言自体は前向きだと思うのですが、

飽きるという翔子先輩の発言自体は否定していませんでした。



なので。


きっと翔子先輩と同じ気持ちなんだと思います。



ですが、ただ一人だけ。



満面の笑顔の北条先輩だけは、

不満なんて感じていない様子ですね。



「腹が一杯になれば文句はねえ!!」



味は気にならないそうです。


次々と手を伸ばして、

ものすごい勢いで豪快に食事をしています。



そのすぐ側に並ぶ理事長さんは、

楽しそうに笑っていました。



「まあ、これはこれで結構食べれると思うのよ?というか、むしろこういう時でもないと食べる機会がないわけだし、貴重な経験だと思うわよ?」



…ということのようです。



理事長さんのお話を聞くと、

そうかもしれないと思えるのが不思議ですね。



だからと言って、美味しくなるわけではないのですが…。


結果的に次々と食料品は減っています。



それでもまだまだ沢山残っているので、

完食するのは難しそうです。



…と。



色々と考え事をしていたら、

翔子先輩が気を使って話しかけてくれました。



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