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人それぞれ
《サイド:御堂龍馬》
「ははっ!楽勝!楽勝!」
余裕の笑みを浮かべる真哉は、
今日最後の試合を終えて新たな生徒番号を手に入れた。
生徒番号、8番だ。
本来ならもっと上の番号を狙いたいところだけど。
閉館の時間が迫っているせいで今日はこれが限界だったんだ。
「お疲れ様」
笑顔で迎える僕に、真哉も笑顔で答えてくれる。
「たいして疲れてねえけどな。まあ、あの猪に比べれば楽なもんだろ?」
…はは…っ。
まあ、そうかもね。
真哉の言葉を聞いて苦笑してしまった。
確かに今日一日の間にギルドで請け負った仕事に比べれば、
学園での試合は比較的簡単かもしれないね。
そうは思うけれど。
学園の試合だって十分に危険性を伴うんだ。
だから楽勝かどうかは分からない。
でもね。
真哉がそう思うのならわざわざ否定する必要はないかな。
誰がどう思うかなんて人それぞれだからね。
ひとまず真哉の昇格を祝うことにして、
時計に視線を向けてみた。
時刻はすでに午後8時だ。
会場が締まる時間になっている。
「とりあえず飯でも食いに行こうぜ!」
「ああ、そうだね。」
真哉に誘われるまま、
食堂に向かって歩きだすことにした。




