必殺の大技
「よしっ!」
外へと出られた事で気合いを入れ直す真哉が
接近して来る大猪に向けてルーンを構えた。
「手加減してやるのはここまでだぜっ!!」
真哉のルーンが激しく輝きだす。
「全力で放つ!ソニックブーム!!!」
勢いよく特攻する真哉は洞窟を出ようとした大猪の鼻へとラングリッサーを突き立てた。
『ザシュッ!!!』と槍が突き刺さり、
血しぶきが周囲に撒き散る。
この一撃は確実に効いたはずだ。
真哉のルーンが突き刺さったことで、
大猪が暴れだしてしまう。
「ブオッ!グオッ!グゴオオッ!!!!」
無差別に暴れだす大猪。
何度も何度も洞窟に激突してから、
ようやく動きを止めた。
だけどまだ死んだわけじゃなかった。
「ブオオオオオッ!!!!!」
僕と真哉のルーンが突き刺さったままの状態でも大猪は僕達へと狙いを定めているんだ。
「ちっ!まだ動けるのか」
「ルーンを取り戻すべきかな?」
あるいは二本目を具現化する方法もあるけれど。
その前に真哉が駆け出していた。
「その必要はねえ!まあ、見てな」
自信満々に走り出した真哉は突撃して来る大猪の鼻に刺さったままのラングリッサーに狙いを定めて一気に跳躍した。
「ははっ。なかなか楽しかったぜ!」
手を伸ばした真哉がルーンを掴んだ次の瞬間。
「キルスラッシュ!!!」
『ズバンッ!!!』と切断音が鳴り響いて、
大猪の巨体が左右に真っ二つに切り裂かれたんだ。
…なっ!?
「………!!!?」
悲鳴さえあげられずに地に落ちる大猪の残骸。
その威力は凄まじく。
斬撃の直線上の大地まで切り裂かれている。
「やっと、終わったな。」
ルーンを片手で持って大猪の最後を見つめる真哉だけど。
僕の目は大猪なんて見ていなかった。
この状況を作り上げた真哉を見ていたんだ。
「…何をしたんだ?」
「ん?ああ。まあ、たいしたことじゃねえよ。俺のルーンは突く為だけの槍じゃねえからな。刃があるんだ。当然、斬ることも出来る。ただ、こいつは破壊力が強すぎて、なかなか使い所がない大技なんだけどな。」
槍の先端に視線を向ける真哉。
そこにある40センチを越える刃が、
鮮血にまみれながらも輝き続けていた。




