いつも二人で?
「あら、沙織も一緒だったのね。おはよう」
理事長の返事が聞こえたことで、
僕も室内へと歩みを進めてみる。
「おはようございます。」
「あら、おはよう。御堂君まで一緒だったの?呼び出してからまだ20分も経ってないのに4人も集まるなんて、思ったよりも早かったわね。」
満足そうな理事長が僕達を席に案内してくれたんだけど。
その間にも『コンコン』と扉を叩く音が聞こえてきたんだ。
「あらあら、順調ね。どうぞ~。」
返事をする理事長の声が聞こえたんだろうね。
すぐに扉が開かれたんだけど、
何故か扉を開けたのは悠理だった。
いつも二人で行動しているのかな?
悠理のすぐ後ろに隠れるような感じで、
深海さんがいるのも見えた。
「あら?近藤さんも来たの?」
「ぁ…は、はい…。」
話しかける理事長に対して、
悠理は気まずそうに視線を反らしている。
「えっと、その~。優奈が一緒に来て欲しいって言うから来たんですけど…。」
言いよどむ様子の悠理だけど。
理事長は優しく微笑んだままだ。
無理に追い返すつもりはないようだね。
「別に良いわよ。聞かれて困るような話でもないから。二人とも中に入って座りなさい。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
理事長の許可が出たことでほっと息を吐いた悠理は深海さんと手を繋ぎながら室内に歩みを進めていった。
「適当に座ってくれて良いわよ~。」
「…は、はい。」
理事長に促されて、
二人は空いているソファーに腰を下ろした。
これでほぼ全員が揃ったことになる。
まだ来てないのは翔子だけだ。
「さて、と。あとは翔子だけね。」
理事長の呟きから待つこと約5分。
足音が聞こえたかな?と思った次の瞬間に『コンコン』と扉を叩く音が鳴り響いた。
「どうぞ~」
理事長の言葉を聞いて扉を開けたのはやっぱり翔子だった。
「失礼します」
礼儀正しく室内に入る翔子だけど。
一通り室内を見回したことで自分が最後だと気付いたようだね。
「あれ?もしかして遅かった?」
申し訳なさそうな感じで問い掛ける翔子だけど、
遅いって言うほどではないんじゃないかな?
5分くらいの差しかないからね。
「みんな、ついさっき来たところよ。」
「そう?なら良かったわ。」
沙織が答えたことで室内に歩みを進める翔子も席につくけれど。
何故か真哉だけは壁にもたれ掛かったままで席につこうとはしなかった。
「どうしたの?座っていいのよ?」
尋ねる理事長だけど、
真哉に座るつもりはないらしい。
「いや、俺はここでいい。ちょいと寝不足気味でな。座ると寝てしまいそうなんだ。」
ん?
寝不足って何かあったのかな?
少し気になったけれど、
理事長はあまり気にしていないようだ。
「あらあら、大変ね。」
真哉の言葉を聞いた理事長は小さく笑っている。
もしかして理事長は何か知ってるのかな?
色々と気になるけれど。
僕が話を聞く前に理事長は早々に自分の席について話を始めてしまった。
「さて、とりあえず集まってもらった理由はすでに察しが付いていると思うけれど。もちろん『魔術大会』に関してよ。」
目的を前置きしてから、
説明を始めてくれたんだ。




