表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
4月11日
492/1330

講師、翔子

………。………。………。


………。………。


………。



…はふぅ。



どれくらいの時間が過ぎたのでしょうか?


翔子先輩は図書館に着いてからすぐに勉強を教えてくれたのですが、

今日も時間が経つのはあっという間ですね。



『キーン…コーン…カーン…コーン…。』



午後6時の鐘の音が鳴り響くのと同時に、

翔子先輩は勉強を打ち切りました。



もともと時間が短かったこともあるのですが、

今日はもうここまでのようです。



「はい。今日はこれでお終いね~。」


「「ふぅ~。」」



翔子先輩の合図と同時に、

私と悠理ちゃんはペンを置いて一息吐きました。



「うわっ。もうこんな時間なの?」



そうなんです。


声には出しませんでしたが、

時計を見て驚く悠理ちゃんと同じ気持ちでいます。



沙織先輩とは異なりますが、

翔子先輩の教えてくれる勉強もすごく楽しくて、

時間が過ぎるのがあっという間だったからです。



…どっちも凄いです。



沙織先輩は優しく教えてくれる感じですが、

翔子先輩は楽しく教えてくれる感じです。



沙織先輩の場合は基礎から応用まで、

全てを丁寧に教えてくれました。



私達にも理解できるように、

細やかに指導してくれたんです。



知識という面では凄く分かりやすくて、

とても勉強なりました。



出来ればまたお願いしたいです。



ですが翔子先輩の場合は教え方が違います。


理論とか法則とか、

そういう難しい話ではなくて、

実際の経験談を交えたお話を聞かせていただけるからです。



『こうするためには、どうすれば良いか』という教え方が沙織先輩だとすると。


『こうすると、こうなるんだよ』という教え方が翔子先輩になります。



どちらも凄く勉強になるのですが。


翔子先輩の話のほうが良いところも悪いところも聞けるので、

勉強をしてるというよりはお話を聞いてるという感じですね。



ずっと聴き続けられる楽しさがありました。



沙織先輩と翔子先輩。



沙織先輩が『優しいお姉さん』だとすると。


翔子先輩は『頼れるお姉ちゃん』という感じでしょうか。



どちらも素敵で、

どちらも尊敬しています。



「翔子先輩、ありがとうございました。」


「いえいえ。」



お礼を言った私に微笑んでくれる翔子先輩の笑顔は何度見ても凄く素敵です。


出来ることなら私も翔子先輩のような笑顔の似合う素敵な女性になりたいと思います。



「2時間程度だったけど、ちょっとは役に立てたかな?」


「「もちろんです!」」



翔子先輩の言葉に、

私と悠理ちゃんは全力で頷きました。



「…あははっ。」



自然と重なる私達を見て、

翔子先輩は楽しそうに笑ってくれます。



本当に、素敵な笑顔です。



同性の私でも見とれてしまうような優しい笑顔なんです。



明るくて。


気が利いて。


とても優しくて。


いつも元気で。


頭も良くて。


沢山の魔術が使えて。


凄く強くて。



私とは正反対…ですよね。



だからこそ、と言うべきでしょうか?



翔子先輩を心から尊敬しています。



もしも願いが叶うのなら、

翔子先輩のような優しくて素敵な人になりたいです。



もちろん沙織先輩や米倉理事長さんや西園寺副所長さんも素敵だとは思うのですが。



やっぱり翔子先輩が一番です。



そんなふうに思えるほど。


翔子先輩は私の憧れで、理想の女性でした。



「ありがとうございます。」


「いいのいいの。それじゃあ、そろそろ帰ろっか?」


「「はい!」」



席を立つ翔子先輩に続いて、

私と悠理ちゃんも筆記用具を片付けてから席を立ちました。



「また今度、時間があれば勉強を見てあげるわね~。」


「「ありがとうございます!」」



重なり合う私と悠理ちゃんの声。



「…あはははっ。」



翔子先輩は最後まで微笑みを絶やしませんでした。



「とりあえず、このあとにまだ予定があるから私は先に帰るわね~。」


「あ、はい。またお願いします。」


「今日はありがとうございました~!」



背中を向ける翔子先輩を見送りながら、

私達は何度もお礼を言いました。



そして翔子先輩が見えなくなったあとで、

私と悠理ちゃんは借りてきた魔導書を返す為にあちこち移動してから図書館を出ることにしました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ