表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
4月11日
481/1342

それが私の

「始めっ!!!」



…うぅ~。



始まっちゃったわね。



試合が始まったことで、

私と沙織は同時にルーンを発動させたわ。



私のルーンは『扇』で、

沙織のルーンは『杖』よ。



どちらも物理的な効果は期待出来ないけれど。


そもそも殴り合うつもりなんてないわ。



…っていうか。



沙織を物理的に叩くとか倒すなんて絶対に無理。



そんな乱暴なことをするくらいなら負けたほうがマシよ。



もちろんそれは沙織も同じ気持ちだと思うから、

近接戦闘は絶対にしないわ。



今回は純粋な魔術勝負になるわね。



そのために扇を構えたの。



…とは言っても。



広げるのはまだ早いわね。



アルテマは切り札だから、

そうそう何度も使えないからよ。



…それに。



あとはまあ、あれね。



出来ることならメテオストライクも使いたくないわ。



沙織を苦しめるような魔術なんて使いたくないのよ。



最終的にどうなるかはやってみないと分からないけれど。


とりあえず今は扇をたたんだままで沙織と向き合うことにしたの。



「行くわよ、沙織!」


「ええ、お互いに頑張りましょう。」



沙織も強く杖を握りしめる。



私達は試合開始位置から一歩も動くことなく、

全く同時に魔術を展開したわ。



だけど圧縮魔術を展開する私のほうが、

少しだけ発動が早かったみたい。



ホンの数秒の差だとしてもね。


詠唱がいらないって楽だから助かるわ。



「ダイアモンド・ダスト!!!」



扇から生まれる冷気の核が沙織に襲い掛かる。


そして雪が降るかのように、

冷気の核が沙織の杖に取り付いたのよ。



だけどその次の瞬間に、

沙織の魔術が完成したみたい。



「ヴァジュラ!!!」



炎のようにうごめく光の塊が周囲の冷気とぶつかりあう。



光の熱と冷気の核。



相殺しあう二つの魔術はどちらもあっさりと消滅してしまったわ。



…うぅ~ん。



これってあれよね?


互角ってことよね?



…ちょっと嬉しいかも!



まだ始まったばかりだけどね。



大賢者である沙織に魔術の威力が追いついたっていう事実は喜んでも良いと思うのよ。



…だったらっ!!



「ジェノサイド!!!」



アルテマの縮小版を放ってみたわ。



今は威力よりもね。


魔力効率重視で攻撃を仕掛けてみたのよ。



扇の先端に8つの魔術の核が発生して沙織に襲い掛かるんだけど。



「リフレクション!」



すでに予想してたのかな?



沙織の杖の五紡星が輝いて、

小さな光が放たれたわ。



ぶつかり合う私の魔術と沙織の結界。



お互いの魔術がぶつかり合ったことで小さな爆発を起こしてた。



軽いガス爆発?



そんな感じ。



その爆発と共に。


どちらの魔術も完全に消滅したわね。



…はあ。



結果だけを見れば、

無駄な攻撃だったということよ。



…ったく、もう〜〜〜!!



沙織って実は真哉よりも強いんじゃないでしょうね!?



心の中で全力で叫んでしまったわ。



あっさりと魔術を防がれたことで、

地味に焦ってしまったからよ。



…普通の魔術じゃ無理!!



「だったらこれはどう!?トールハンマー!!!」



扇から強力な電撃が生まれて、

今度こそ沙織に襲い掛かる。



だけど、今回は。



「ディスペル!!」



沙織の杖が輝いた瞬間に、

あっさりと電撃が消滅したの。



重力による圧力が発動することさえなく。


あっさりと解呪されてしまったのよ。



…ぬあああああああああああああああ~!!!



ったく、もう!!!



次から次へと相殺してくれるわね!!



とっておきの魔術でさえも沙織には全く通用しないなんて、

やりにくいにもほどがあるわ!



…一体、どうしろって言うのよ!?



心の中でどんどん焦りが募ってく。


単純な魔術の勝負では分が悪すぎるからよ。



魔術戦で沙織に勝つのはやっぱり難しいみたい。



単純な技術力なら龍馬でさえ負けちゃうくらいだし。


今の私の実力で沙織を制圧するのは無理っぽいのよ。



…だとしたら、次はどうしようかな?



攻撃手段を考えようとしてみたけれど。



「グロウヴィル!!!」



今度は私よりも先に沙織の魔術が発動してしまったのよ。



沙織の影が伸びて、

私に襲い掛かってくるの。



…くっ!



「サンダー・スパーク!」



強力な雷撃が放つ光のお陰で、

影が形を歪めて動きを止めたわ。



だけどね。


それだけなの。



相殺も破壊も出来ずに、

ただ足止めしただけなの。



…くうぅ~っ!



光魔術が使えれば完全な相殺ができるのに。


今は擬似的な光を操るのが精一杯だったのよ。



そのせいで沙織の影を破壊することが出来なくて、

足止めだけで終わってしまったわ。



…この状況はまずいわよね?



油断したら再び影に襲われかねないからよ。



「も〜!!こっちの攻撃は通じないのに、沙織の攻撃は私に届くってずるくない!?」


「ふふっ。それが私の戦い方なのよ。それは翔子も知っているでしょ?」



…うう~。



それはそうなんだけど〜。



そうなんだけど〜。



分かっていてもね?



納得なんてできないのよ!!



「ああ~もうっ!」



影を押し返せなくて、

必死に動きを止め続ける。


そんな私の様子を眺めていた沙織は楽しそうに微笑んでいたわ。



「ふふっ。さすがね、翔子。以前よりも確実に強くなっているわ。正直に言って羨ましいくらいよ。」



…あ、ありがと。



でもね?



褒めてくれるのは嬉しいけれど。


影はまだ相殺しきれていないのよ。



闇属性の対極である光属性が使えないせいで、

沙織の魔術に対抗しきれないの。



だから雷撃が消えると同時に再び動き出してしまう影が、

瞬く間に私へと接近してしまうのよ。



あ~もうっ!!!


めんどくさいわねっ!



こうなったらもう遠慮なんてしないわっ!!



下手な手加減は止めて、

全力で攻撃に出ることにしたの。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ