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THE WORLD  作者: SEASONS
4月11日
480/1342

翔子のために

《サイド:美袋翔子》



…で。



流されるままたどり着いちゃった試合場Dー5。



ついさっき真哉と試合をした試合場の隣なんだけど。


今回はここで沙織と試合をすることになったのよ。



「…本当にやるの?」


「ええ。」



勝っても負けても嬉しくない気がするんだけど。


沙織は笑顔のままで頷いていたわ。



「その方が翔子にとっては都合が良いでしょ?」



…ん?



私にとって都合が良いの?


どういう意味なのかな?



「今よりも強くなる為に。そして成長して彼に追いつく為に。少しでも試合を続けることが翔子の為だと思うのよ。」



…あ~。



うん。


なるほどね。


私の為だって、沙織は言ってくれたのよ。



確かに総魔に追いつく為にはね。


強くならなくちゃいけないと思ってる。



今でも十分成長したとは思うけれど。


総魔はもっともっと成長してるはずだから。



私達の差は縮まってなんかいないと思うの。



だからね。


足を止めてる暇はないのよ。



それは実感してるわ。



だから、かな?



だから沙織は私のことを考えて試合を決意してくれたみたい。



「それにね…。今朝学園から通達があったのよ。」


「…通達?」


「そう。昨日の夜にね。4位だった由香里が試合に負けて、三津井君と成績が入れ替わったそうなの。そしてその時点でね。三津井君は卒業試験を受けることを決めたらしいわ。」



…え?



三津井君って総魔に敗北して降格したあの三津井君ってこと?



元々どっちも1桁台の成績だったから勝敗に関しては驚かないけれど。


4位だった由香里に勝って成績を伸ばした段階で決断したってことなのかな?



「どうして急に…?」


「…どう考えてもね。これ以上成績が上がる気がしないから…って、卒業を決めたらしいわ。」



…あ〜〜〜〜〜〜。



…うん。


…まあ、ね。



総魔にボロ負けしちゃったらね。


心が折れちゃうのも仕方がないと思うわ。



むしろね。


今までそういう人が出なかったのが不思議なくらいなのよ。



「試験結果は午後には分かると思うけれど…。合格した場合、私達の成績は繰り上がることになるでしょうね。」



…あ〜、そうかも?



そうなると沙織が4位になるってことよ。


現時点では5位だけど。


三津井君の卒業によって、

私達は一つずつ成績が繰り上がることになるの。



今はまだ5位だとしても。


数時間後には暫定4位になって。


明日の朝には成績が確定するっていうこと。



そうなれば私と沙織。



この試合で勝ったどちらかが、

4位になれるっていうことよ。



1位の総魔。

2位の龍馬。

3位の優奈ちゃん。


その次に私と沙織のどちらかの名前が並ぶということ。



…だとしたら。



もう何も言わないわ。


ただまっすぐに沙織を見つめてみる。



「やるからには勝つつもりで行くわよ!」


「ええ。そうでなければ試合をする意味がないわ。」



…そうね。



お互いに気を遣うだけの試合なんて、

最初からやらないほうがマシよね。



「じゃあ、行くわよ!」


「ええ。」



向かい合う私と沙織。


その間に龍馬が割り込んできたわ。



「今回は僕が審判をするよ。」



試合場の中央に立った龍馬が右手を高くかかげる。



「準備は良いね?」



ん~。


あまり良くはないけどね。


嫌だとも言えないわ。



「ここまで来たらやるだけよ!」


「ふふっ。そうね。」



気合充分な私と冷静に微笑む沙織。



私達を見ていた龍馬が、

試合開始を宣言してくれたのよ。



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