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《サイド:美袋翔子》
午後11時。
…結局ね。
またまたまた特風会に戻ってくることになったのよ。
…はうぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
迷わずに扉を開く沙織のあとを追って、
最大級のため息を吐きながら会議室の中へと足を進めてみる。
癒しの一時は、あっという間だったわ。
成美ちゃんとの幸せな時間のあとに待っているのが山積みの書類なんて…。
天国から地獄って、
こういうことを言うんでしょうね。
龍馬は出来る範囲で良いって言ってたけど。
もうすでに私の心はボキボキに折れてる気がするわ。
…もうね?
やる前から挫折しちゃってる感じ?
そんな気分なのよ。
「ねえねえ、沙織…。ホントに今からやるの?」
「ええ、もちろんよ。」
沙織は当然とばかりに頷いてから書類の束の1/3を私に差し出して、
残りの書類を一人で抱えて席についたわ。
半分ずつじゃなくて1/3だったのよ。
沙織の優しさが身に染みる瞬間だったわね。
…あ〜!
…も〜!!
「こうなったらしょうがないわね。ささっと片付けて帰るわよ!!」
「ふふっ、そうね。」
微笑む沙織と並んで書類と向かい合う。
そうして私達は全力で書類を片付けていくんだけど…。
僅か数枚目にして私の心は粉々に砕け散ってた。
根本的にね。
事務作業に向いてないのよ。
…って言うか。
文字と向き合うのが不向きだと思うの。
はぅぁぁぁぁぁ…。
全く減る気がしない書類の束。
一体、何時になったら終わるのかな?
そんな疑問を感じながらもね。
久々にね。
地味な仕事と向き合うことにしたの。




