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THE WORLD  作者: SEASONS
4月10日
456/1318

逃走

《サイド:美袋翔子》



…で。



またまた特風会に来ちゃったわ。



仕事は一切してないのに、

一日一回以上来てる気がするわね~。



出来ることならこのまま仕事をせずに帰りたいんだけど。


そうもいかないんでしょうね~。



…はぅあぁぁぁぁぁ。



ちょっぴり憂鬱な気分になりながら会議室に入ってみる。



そしてまっすぐ龍馬の机に向かってみたんだけどね。



…うわぁぁぁぁぁぁぁ。



机にたどり着く前からすでに『それ』は見えていたわ。



膨大な量の書類の束。


高さは30センチ以上あるわね。



一枚が1ミリだと計算した場合。


ざっと300枚の書類が積み重ねられていることになるんじゃないかな?



…って?



嘘でしょ!?



この書類を?



全部?


処理しろっていうの〜〜〜〜!?



うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!



無理でしょ!?



…って言うか、冗談よね?



あまりの面倒臭さに冷や汗を流してしまうけれど。


隣にいる沙織はのほほんと笑顔を浮かべているわ。



山済みの書類を見ても、

全く気にしてないみたい。



「…あらあら、いつもより多いわね。」



…って!?



感想はそれだけなの!?



いつもより多いとか、

そういう問題じゃないでしょ!?



もっとこう、

他に言うべき言葉があるんじゃない!?



「多いどころじゃなくて、こんなの終わるわけないじゃない!!」



叫んでみたけれど。


沙織の笑顔は崩れないわ。



普通に終わるって信じてるみたい。



「二人で頑張れば終わるわよ?」



ぬああああああああああああああああああああっ!?



無~〜〜〜〜〜理~〜〜〜〜〜っ!!!!



無理、無理、無理、無理ぃぃぃぃぃぃぃ!!!



い〜〜〜や〜〜〜な〜〜〜の〜〜〜!!!



や〜〜り〜〜た〜〜く〜〜な〜〜い〜〜の〜〜!!!



面倒臭さ満載の書類なのよ!?



それも30センチの束よ!



束!!



どう考えても頑張りたくない仕事なのよ!!



「…はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…。」



激しくため息を吐いてみる。



全力で落ち込んでみたけれど。


目の前の現実は何も変わらないわ。



沙織は冷静な態度で時計の針と書類を見比べてる。



そしてゆっくりと私に振り返ったのよ。



「さすがにすぐには終われそうにないから。一度家に帰ってから出直した方がいいかも知れないわね。」



…ん?


…え?



…出直すの?



それって、つまり?



沙織の家に行ってから。


またここに来るってこと?



しんどすぎる…。



なにこれ?


完全に残業よね?



…っていうか。



徹夜になるんじゃない?



うぁぁぁぁぁぁぁ…。



引き受けなきゃよかったぁぁぁぁぁぁぁ。



…って!?



もしかしてこれ!?



沙織が手伝ってくれなかったら?



これを全部?



私一人でやらなきゃいけなかったの!?



無理、無理、無理、無理っ!!!!



絶っ対に無理ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!



10分と持たずに放り投げる自信があるわ。



そう考えれば沙織がいるだけまだマシなのかもしれないわね。



…一応、2人だし?



改めて考え直して。


書類の山から視線を逸らしてみる。



出来ればもう見たくないけどね。



…と言うか。



出来ることなら触りたくもないけどね。



「と、とりあえず、出ない?一刻も早くっ!!!」



沙織を急かして会議室を出ることにしたわ。



『現実』を後ろに放置して、

『幻想』の幸せに逃げることにしたのよ。



別にいいでしょ?



沙織を巻き込んだ以上。


どう考えたってもう逃げられないんだから。



あとのことはあとで考えるわ。



だから今は成美ちゃんに会って、

この心の疲れを癒すのよ!



そう心に決めた私は、

急いで沙織の家に向かうことにしたの!!



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